第77回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)全騎手戦略分析《デブ猫競馬》


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🏇 枠順並びからの全体戦略予想

今回の枠順で特筆すべきは、短距離志向の強い馬が内枠と外枠に散らばり、スタミナのある馬が中枠に固まった点です。特に1番枠のF.ジェルー騎手や12番枠の岩田康誠騎手など、前進気勢の強い馬に乗る騎手が、ポジションを取りに行く意識を強く持ちます。これにより、序盤のペースは緩まず、全体的に流れる展開が予想されます。一方で、4番アランカール(北村友一騎手)や5番ギャラボーグ(川田将雅騎手)といった有力馬は、前の激しい争いを一歩引いた好位で見ながら、直線の長い阪神外回りコースを意識して「脚を溜める」ことに専念するでしょう。勝負所は、先行勢がバテ始めた瞬間に、いかにスムーズに外へ持ち出せるかの進路取りになります。

🧠 各騎手ごとの心理と戦略分析

1 アンヘリータス — F.ジェルー

心理: 最内枠という絶好のポジションを引きましたが、前走1400mで着順を落としている点から、1600mへの距離延長に不安を感じています。しかし、短期免許での参戦であり、消極的な競馬は避けたいという意欲があります。
戦略: スタートから積極的に出していき、ラチ沿い(内柵ギリギリ)を確保します。距離ロスをゼロにすることでスタミナの消耗を防ぎ、直線までじっと我慢して、内が開く一瞬の隙を突く作戦をとるでしょう。
根拠: 距離不安がある馬で外を回すとスタミナが尽きるため、最短距離を走る以外の選択肢が取りにくいためです。

2 レディーゴール — 松若 風馬

心理: 前走、前々走と掲示板を外していますが、大きくは負けていません。相手なりに走れるタイプと認識しており、一発を狙うよりも、まずは入着賞金を確実に狙えるような堅実な騎乗を意識しています。
戦略: 無理に前には行かず、中団の後ろで脚を溜めます。前の集団がやり合って崩れるのを待ち、直線で馬群を縫うように追い込む形をとります。
根拠: 力勝負では分が悪いため、展開の助け(ハイペースでの総崩れ)が必要だと判断するからです。

3 ミツカネベネラ — 津村 明秀

心理: アルテミスSで2着と好走しており、能力には手応えを感じています。さらに内枠を引けたことで、スムーズな競馬ができるイメージを持っています。悲願のG1制覇へ向け、冷静かつ虎視眈々とした心境です。
戦略: 好位のイン、具体的には4〜5番手のポケットを狙います。前の馬を壁にして折り合いをつけ、直線で抜け出すタイミングを計ります。
根拠: 切れる脚というよりは長くいい脚を使うタイプなので、早めに動き出せる位置取りが不可欠だからです。

4 アランカール — 北村 友一

心理: 母は名牝シンハライトという良血馬で、ここまで無敗。最もプレッシャーのかかる立場ですが、馬の能力を誰よりも信じています。包まれて動けなくなることだけを強く警戒しています。
戦略: スタートを五分に出れば、無理に下げず好位の3〜4番手を確保します。ただし、インに閉じ込められないよう、いつでも外に出せる進路を意識しながら追走します。
根拠: 能力が高い馬なので、進路さえあれば勝てると確信しており、リスク管理(詰まることの回避)を最優先にするためです。

5 ギャラボーグ — 川田 将雅

心理: 1800mでの勝利経験があり、スタミナには絶対の自信を持っています。周りの馬が距離不安を抱える中、タフな展開に持ち込みたいと考えています。「受けて立つ」強い気持ちで臨みます。
戦略: あえて早めにポジションを取り、先行集団の直後につけます。4コーナー手前から自ら動いてペースを上げ、後続の瞬発力型を封じ込めるロングスパートをかけます。
根拠: スローペースの瞬発力勝負になると分が悪いため、自身のスタミナを活かして相手をバテさせる消耗戦が有利だからです。

6 アルバンヌ — 坂井 瑠星

心理: 過去にトップジョッキーたちが乗ってきた馬であり、比較されるプレッシャーがあります。しかし、自身の持ち味である積極性を活かし、馬のしぶとさを引き出そうと集中しています。
戦略: 川田騎手(ギャラボーグ)をマークする形で運びます。相手が動くタイミングに合わせて一緒に進出し、最後は叩き合いに持ち込みます。
根拠: 有力馬の近くにいれば、展開のアヤに左右されず、勝負所で自動的に良い位置にいられる確率が高いからです。

7 マーゴットラヴミー — 武 豊

心理: 前走で鮮やかな勝利を収めており、馬とのコンタクトは完璧です。G1の舞台でも慌てることなく、馬のリズムを最優先に考えています。「自分の競馬ができれば結果はついてくる」という達観した心境です。
戦略: 中団でじっくりと脚を溜めます。周りの動きには惑わされず、直線に向くまで追い出しを我慢し、ラストの爆発力に賭けます。
根拠: この馬の最大の武器である「直線の切れ味」を最大限に発揮するには、道中で余計な脚を使わないことが不可欠だからです。

8 ヒズマスターピース — 藤岡 佑介

心理: 前走・前々走と連勝中で勢いがあります。ただ、2000mでの敗戦経験から、ペース配分には慎重です。一発を狙う色気よりも、馬の成長を確かめたいという冷静さがあります。
戦略: 中団やや後ろで待機し、リズム重視で運びます。勝負所では外を回して、スムーズに加速させることを心がけます。
根拠: 大型馬で不器用な面があるため、馬群で揉まれるよりも、距離ロスがあってもスムーズに走らせた方が能力を出せると考えるからです。

9 スターアニス — 松山 弘平

心理: 1200m〜1400mを使われてきた馬で、1600mへの対応が課題です。引っかかる(制御が効かなくなる)ことを何より恐れており、慎重な心理状態です。
戦略: スタート後、あえて控えて馬の前に他馬を置き、壁を作って折り合いに専念します。直線勝負に徹し、距離を持たせる工夫をします。
根拠: 前半で力んで走ってしまうと、直線の長い阪神コースでは最後に失速してしまうことが明白だからです。

10 イヌボウノウタゴエ — 酒井 学

心理: 人気薄の立場であり、失うものは何もありません。思い切った作戦で波乱を演出してやろうという、野心的な心理状態です。
戦略: 他馬が牽制し合うようなら、ハナ(先頭)を奪うことも視野に入れています。そうでなければ、死んだふりをして最後方から一気の追い込みを狙うなど、極端な戦法をとります。
根拠: 常識的な競馬をしては上位馬に勝てないため、展開の隙を突く奇策が必要だと判断するためです。

11 スウィートハピネス — 高杉 吏麒

心理: 若手騎手としての挑戦です。前走2着と好走しましたが、G1の激しい流れに戸惑わないよう、平常心を保とうと必死です。ミスをしないことを第一に考えています。
戦略: 中団の内目でじっとしています。外を回す余裕はないため、前の馬がバテて下がってくるのを避けつつ、開いたスペースを突きます。
根拠: 経験値で劣る分、コース取りでのロスを極限まで減らして、馬の能力を補う必要があるからです。

12 メイプルハッピー — 岩田 康誠

心理: 過去のレースで先行力を示しています。ベテランらしく、相手の出方を見ながら自在に立ち回ろうと考えています。「イン突き」のチャンスを常に狙う鋭い心理状態です。
戦略: 好スタートから先行争いに加わりますが、無理には逃げません。4コーナーではラチ沿いに進路を取り、最短距離で抜け出しを図ります。
根拠: 馬群を割る勝負根性がこの騎手の真骨頂であり、混戦になればなるほど有利になると踏んでいるからです。

13 フロムレイブン — 吉村 誠之助

心理: デビューから安定した成績ですが、今回は外目の枠です。若手として、積極的な競馬でアピールしたい気持ちと、外枠の不利をどうカバーするかで葛藤しています。
戦略: スタート直後に内へ切れ込み、中団の位置確保を狙います。外々を回らされるのを避けるため、多少強引にでもポジションを取りに行きます。
根拠: 外枠から漫然と乗っていると、終始外を回らされて勝負に参加できずに終わるリスクが高いからです。

14 スタニングレディ — 和田 竜二

心理: 1800mの新馬戦を勝っており、スタミナには自信があります。このタフな条件は歓迎しており、泥臭く粘り込む競馬をしようと意気込んでいます。
戦略: 早めに動いて消耗戦に持ち込みます。瞬発力勝負には付き合わず、3コーナーあたりからペースアップを促します。
根拠: ジリジリと長く脚を使うタイプなので、ペースを緩ませず、他馬の脚を削ぐ展開こそが勝機だからです。

15 ラスティングスノー — 菱田 裕二

心理: 洋芝(札幌・函館)での実績があり、パワーが必要な馬場になれば浮上すると考えています。当日の馬場状態を気にしていますが、基本的には強気の姿勢です。
戦略: 外枠からスムーズに先行し、揉まれない位置で運びます。早め先頭のイメージで、後続を突き放しにかかります。
根拠: 器用さ勝負よりも、体力勝負に持ち込んだ方がこの馬の良さが出ると理解しているからです。

16 ローズカリス — 田口 貫太

心理: ダート戦を中心に使われてきた異色の経歴です。芝のG1ペースについていけるか不安はありますが、ダートで培ったパワーを活かしたいと考えています。
戦略: 後方待機策をとります。芝のスピードに対応しようと無理に追走すると脚をなくすため、自分のリズムを守ります。
根拠: 芝のスピード勝負に正面から挑んでも分が悪いため、展開が崩れた時の拾い物を狙う形になります。

17 タイセイボーグ — 西村 淳也

心理: 重賞で連続2着と実力は証明済みですが、勝ち切れないもどかしさがあります。外枠ですが、今回は何としても勝ちたいという執念を持っています。
戦略: 外枠の不利を逆手に取り、終始外のきれいな馬場を選んで走ります。馬群に突っ込まず、外から豪快に差し切るイメージです。
根拠: ごちゃつく展開で不完全燃焼に終わるのを避けるため、視界の開けた外からのスムーズな競馬を選択します。

18 ショウナンカリス — 池添 謙一

心理: 大外枠という厳しい条件ですが、「グランプリ男」としての勝負勘が働きます。人気が落ちているなら気楽に乗れると考え、一発逆転を狙う不敵な心境です。
戦略: 枠なりに外を回すのではなく、スタート直後に最後方まで下げてでも内へ潜り込むか、あるいは大外一気の極端な戦法をとります。
根拠: 常套手段では大外枠の不利を覆せないため、他の騎手が予期しないような極端な戦略が必要だからです。