『ペース判断の検証』
■ 予想時点の想定: 2, 4, 8番のハナ争いによる激流ハイペース。
■ 実際のハロンタイム: 12.1 - 10.6 - 11.1 - 11.3 - 11.4 - 12.2
■ 実際の前半600m: 12.1 + 10.6 + 11.1 = 33.8秒
■ 評価: 前半600mが33.8秒は、中京芝1200mの3勝クラス(稍重)としては十分速いハイペースであり、予想の方向性は的中しました。しかし、予想していた「複数の先行馬による激しい競り合い(消耗戦)」ではなく、8番サウスバンクが逃げ、3番ブラックケリー、2番エコロマーズがそれを追走するという、縦長の隊列で流れるハイペースとなりました。
■ 展開・位置取りの差異と因果関係:
本命馬の判断ミス: 予想では2番エコロマーズが先行集団の直後という絶好位を取れるとしましたが、実際には番手追走となりました。この隊列で流れるハイペースでは、逃げ馬(8)と番手馬(2)の負荷が大きく、
激しい競り合いによる失速ではなく、ペースについていったことによる消耗で、直線で脚が鈍りました。
勝ち馬モズナナスターの妙: 7番モズナナスターは、予想通り「好位差し」の戦略でしたが、実際の位置取り(3角5番手)は、
先行集団(1, 2, 3, 8)が作ったハイペースの恩恵を最も受けやすい位置でした。先行勢の直後から、直線で外に持ち出すロスの少ないコース取りが、勝利に直結しました。
ベイビーキッス(4番)の戦術変更: 予想でハナ争いのリスクを指摘しましたが、4番ベイビーキッスはスタート後すぐに控えて中団後方(3角7番手)を追走。この
戦術の柔軟な変更が功を奏し、先行集団の消耗を尻目に上がり33.7秒の最速を記録。先行力ではなく、脚を溜めた際の決め脚が活きる結果となりました。
『対抗ブラックケリー(4着)の位置取りと決め脚の不発』
予想で対抗とした3番ブラックケリーは、決め脚100を激流展開に活かす想定でしたが、実際は
2番手追走(3角2番手)という、先行集団の直後、本命馬2番と同等以上の負荷を負う位置取りとなりました。
富田騎手は内に拘った追走を試みましたが、結果として
自慢の決め脚を溜めるための「貯金」が前半で尽きてしまい、直線では粘り込みが精一杯となり、勝ち馬に差し返されました。この位置取りは、この馬の能力を最大限に引き出す戦略とは言えませんでした。