2026年1月4日、中京ではなく本来の舞台である京都で開催された京都金杯。 新年の開幕を飾る重要な一戦において、私の予想と実際の結果には、謙虚に受け止めるべき大きな乖離がございました。 本記事では、事前の分析がなぜ現実に届かなかったのか、そして物理的な条件を超えた「馬の適性」と「展開の質」について深く掘り下げて参ります。
■ 予想時点では、開幕週の高速馬場を背景に「逃げ・先行」が物理的に有利であると考え、スローからミドルペースでの押し切りを想定していました。 しかし、実際のラップタイムは 12.6 - 11.1 - 11.6 - 12.1 - 11.7 - 11.6 - 11.5 - 11.5 という、息の入らない極めてタフな持続力勝負となりました。
■ 2ハロン目の 11.1秒 という急加速により隊列が伸び、道中も11秒台後半から12秒頭のラップが刻み続けられました。 この結果、単なる「前残り」ではなく、高い速度を維持し続ける 「高速巡航能力」 を持つ馬たちが上位を独占しました。 私が軽視していた「淀の坂での負荷」が、この持続ラップによって増幅され、能力の底力が問われる結果となりました。
■ 勝ち馬のブエナオンダ(川田騎手)は、大外枠の不利を淀の坂の下りを利用して完璧に相殺しました。 予想時、川田騎手ならリスクを排除すると考えておりましたが、その精度は想定を遥かに上回るものでした。 対して、本命に据えたランスオブカオス(吉村騎手)は、インで脚を溜める形を取りましたが、前が止まらない高速持続ラップの中では、外からスムーズに加速した馬たちの勢いに一歩及びませんでした。
| 馬番 | 馬名 | 予想評価 | 結果 | 分析 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ランスオブカオス | S | 5着 | 最内枠を活かしたものの、57.5kgの斤量で持続ラップに対応するには、まだ4歳馬としての完成度が途上でした。 |
| 15 | ブエナオンダ | S | 1着 | 能力評価は正当。外枠を苦にしない巡航速度の高さと川田騎手の完璧なエスコートが噛み合いました。 |
| 11 | ファーヴェント | B | 2着 | B評価に留めたのは私のミスです。京都での安定感を軽視してしまいました。持続力勝負への適性が高かったです。 |
■ 最大の反省点は、 10番ショウナンアデイブ(3着) を消し評価の筆頭格に置いていたことです。 近走の成績のみに目を奪われ、今回の「ブリンカー着用」と「54kgという恵まれたハンデ」が、持続ラップにおいてどれほどの恩恵をもたらすかを過小評価しておりました。 池添騎手のイン突きへの執念、そして淀の坂を利用した惰性走行は、まさに京都のベテランならではの技術であり、私の分析不足を痛感させられました。
■ 不安要素の少ない馬として挙げた15番ブエナオンダが勝利した点は整合性が取れましたが、期待値の高さを強調した18番エアファンディタ(18着)は、9歳という年齢による高速持続ラップへの対応限界を見せてしまいました。 決め脚数値だけに頼り、レース全体の「平均速度」が上がる展開での追走負荷を考慮できていなかったことは、今後の大きな反省材料です。
本命馬ランスオブカオスが5着に敗退した理由は、複合的な要因によるものと推論します。
■ 要因1:斤量と馬場質のミスマッチ
4歳馬で57.5kgの斤量を背負い、全ハロンで11秒〜12秒前半を刻み続ける展開は、まだ筋肉の完成しきっていない若駒には過酷な負荷となりました。上位3頭(5歳、5歳、7歳)はいずれも古馬の完成された筋肉で、このラップを耐え抜きました。
■ 要因2:京都外回りの加速性質
インで脚を溜める「最短距離」の利よりも、下り坂から直線にかけて「加速を妨げられない外目」をスムーズに回した遠心力が、今回の高速決着では優位に働きました。ランスオブカオスは直線で前を追いかける形になりましたが、外のブエナオンダに比べ、トップスピードに乗るまでに時間を要した印象です。
■ 開幕週=内枠・先行という「物理的条件」の盲信を控える。
馬場が綺麗であっても、今回のような「緩みのない持続ラップ」になる場合は、斤量の軽いベテラン馬や、外枠からでも淀の坂を利して加速できる持続力タイプを優先すべきです。
■ ブリンカー装着と斤量減の相乗効果。
近走不振馬でも、ショウナンアデイブのように「先行力がある馬がブリンカーを付け、ハンデが軽くなった時」の京都における粘り腰は、データ以上に警戒すべきパターンであることを再認識いたしました。
■ 注目馬:9番 トロヴァトーレ(4着)
今回、58.5kgという極めて重い斤量を背負いながら、上がり最速の 33.2秒 を繰り出して4着まで押し上げた内容は、勝ち馬以上に評価できるものです。
後方15番手という絶望的な位置から、物理的に届かない展開を自力で詰め寄りました。
■ 狙える条件:
次走、斤量が1kgでも緩和されるか、あるいは 「直線の長い東京・新潟」 で、もう少しペースが落ち着く(上がり32秒台が求められる)展開になれば、重賞制覇は極めて近いと確信しております。
今回の反省を真摯に受け止め、表面的なデータだけでなく、
馬の完成度とレースの「質」をより深く洞察し、精進して参ります。