2026年の幕開けを飾る中山金杯は、事前の予想を上回る激戦となりました。本分析では、自身の予想と実際の結果を照らし合わせ、なぜ上位3頭がハナ・クビの接戦を演じるに至ったのか、その因果関係を謙虚に、かつ論理的に振り返ります。
■ 予想時点では、Bコース使用開始初日の恩恵を受け、「逃げ・先行」が絶対的に有利なスローペースを想定していました。しかし、実際のレース展開は、2ハロン目に11.0秒という非常に速いラップが刻まれる立ち上がりとなりました。
■ この序盤の負荷により、単なる「前残り」ではなく、中盤で息を入れつつも、最後の急坂で加速し続ける 「高速巡航能力」 が問われる質へと変化しました。
■ 位置取りにおいては、勝ち馬の11番カラマティアノスが、4番手という「外から被されない、かつ距離ロスを抑えた」位置を選択。これは、予想で重視していた「内枠の利」と、結果として生じた「外からの加速スペース」の折衷案とも言える絶妙なポジションでした。
■ 2着に入ったアンゴラブラックの戸崎騎手は、予想通り内ラチ沿いの経済コースを徹底して守りました。4コーナーで前が壁になるリスクを冒してでも内を選択した忍耐力は、まさに名手の計算によるものです。
■ 対して、勝利した津村騎手(カラマティアノス)は、3コーナーから菅原騎手(14番)が動いた際に、自身の馬のスタミナを信じて早めに外から被せに行きました。この「坂の手前で加速体制に入る」という積極性が、最後のハナ差に結びついたと推察されます。
■ S評価を与えた2番アンゴラブラック(2着)と3番カネラフィーナ(4着)は、能力を十分に発揮しました。しかし、B評価に留めた11番カラマティアノスが1着となった要因は、前走までのダート実績を差し引いた評価が、馬自身の「坂での力強さ」を見誤らせた点にあります。
| カテゴリ | 的中・合致点 | 誤算・反省点 |
|---|---|---|
| 消し要素(上位8頭) | 1番ケイアイセナ(12着)、13番シリウスコルト(13着)などの大敗を予測。 | 12番マイネルモーントを「決め脚不足」で消したが、坂で粘りを見せ8着。 |
| 不安要素(上位5頭) | 2番、1番、5番が上位または見せ場を作った。 | 3番カネラフィーナが外を回されるリスクを甘く見積もっていた。 |
| 期待値(上位5頭) | 11番カラマティアノスの「決め脚数値」が高い期待値として現実化した。 | 5番ピースワンデュックの単騎逃げが粘りきれる馬場状態の読み。 |
■ 本命:3番 カネラフィーナ(4着)
敗因は明確です。4コーナーで上位3頭が形成した一塊の直後で、外へ振られる形になり、中山の短い直線で物理的な距離ロスを挽回しきれませんでした。明け4歳牝馬の54kgという軽量は魅力でしたが、多頭数の立ち回りにおいて、石川騎手の「外を選択せざるを得なかった状況」が誤算でした。
■ 対抗:2番 アンゴラブラック(2着)
予想通りの立ち回り。内枠から経済コースを通りましたが、勝ち馬に「坂での一瞬の加速力」で僅かに見劣りしました。牝馬ながら55kgを背負い、ハナ差まで迫った能力はS評価に違わぬものでした。
■ 特注:11番 カラマティアノス(1着)
「決め脚数値95.2」を重視して特注としましたが、結果としてこれが正解でした。ダート戦で培われた「パワー」が、中山の急坂を登りながら加速する(11.3秒の区間ラップ)という特殊な状況において、芝特有の瞬発力馬を凌駕したのです。
■ 反省点1:中山2000mにおける「坂での加速」の重要性
「開幕週=内枠有利」という物理的条件を重視しすぎました。中山のような急坂コースでは、内側の良馬場を走る以上に、坂を登りながら加速できる 「パワーの持続性」 が重要であることを再認識いたしました。
■ 反省点2:明け4歳馬の「ダート経由」の評価修正
近年、ダートから芝への転戦で結果を出す馬が増えています。特にパワーが必要な冬場の中山・阪神では、芝の実績だけでなく、ダートで刻んだラップの質をより深く分析に組み込む必要があります。
■ 理由:
4コーナー通過順位9番手から、大外を回して上がり最速(34.0秒)を使い、勝ち馬と0.0秒差まで詰め寄った内容は、今回の中で最も強い競馬でした。距離ロスがなければ突き抜けていた実力馬です。
■ 次走狙える条件:
今回の内容から、右回り・小回りへの適性は極めて高いと言えます。次走、 「小倉大賞典」 や 「福島記念」 のような、もう少し直線が長く、かつ機動力を活かせる舞台であれば、勝ち負け必至の一頭として推奨いたします。