レース予想と実際の結果から導き出す、誠実なる反省と回顧
■ 予想段階では、14番ナムラローズマリーが単騎逃げを打ち、極端な内有利の馬場を活かして前残りを図る展開を主軸に据えていました。しかし、実際のゲートが開くと、外から16番エスペシャリーが想定を上回る猛ダッシュを見せ、これに内から7番トーラスシャインが応戦。最初の200mが10.3秒という、短距離戦の中でも極めて速い入りとなりました。
■ この想定以上のハイペースが、縦長の展開を呼びました。予想では「前へ行った馬たちによる我慢比べ」を想定していましたが、実際にはその我慢比べの強度が極めて高く、単なるスピード自慢だけでは耐えきれない、底力が問われる一戦となりました。
■ 騎手心理において、大きな乖離があったのは勝ち馬3番デイトナモードの小崎騎手の動きです。予想段階では、この馬を「立て直し中」の評価とし、中団以降での待機を想定していました。しかし実際には、好スタートから3番手のインを確保。これは、他馬の騎手がハイペースを嫌って一歩引く心理が働く中、あえてその速い流れに乗るという、馬への高い信頼に基づいた判断でした。
■ 一方、本命に据えた8番ベイビーキッスや対抗の11番ロードマイライフは、この速い流れの中でポジションを押し上げるタイミングを逸し、4コーナーで外を回らされる形となりました。小倉の急コーナーにおいて、この外回しは物理的に致命的なロスとなり、想定していた「先行粘り込み」の形を維持することができませんでした。
■ S評価とした11番ロードマイライフ(9着)は、先行力を活かす展開を期待していましたが、3コーナー付近での位置取りが15番手と極端に悪くなりました。能力値97.1という評価は間違いではなかったと考えますが、多頭数の揉まれる展開に対する精神的な脆さ、あるいは西塚騎手が「溜めて外へ出す」判断をしたことが、今回の馬場バイアスとは噛み合いませんでした。
■ 逆にC評価とした3番デイトナモードが勝利。これは「能力評価」が近影の着順に引きずられ、同馬が持つ小倉適性と内枠での立ち回り力を過小評価していたことの現れです。
■ 7番トーラスシャインを消し評価としましたが、結果は2着。近走の不安定さから消しとしましたが、今回はブリンカー効果に加え、松本騎手が「後ろに飲み込まれないよう自分のリズムを守る」という強い意志で逃げ粘りを図りました。消し評価の根拠とした「期待値が見合わない」という点は、5番人気2着という結果から見れば、私の判断ミスであったと認めざるを得ません。
■ 8番ベイビーキッス(8着)を「大崩れは考えにくい」と評価しましたが、実際には多頭数の12番手からの競馬となり、砂を被る形に。精神的な充実に期待していましたが、物理的な距離ロスを克服するには至りませんでした。
■ 1番メイショウピース(4着)は、実オッズ11.9倍に対し、内枠死守と最短距離を走る立ち回りで4着まで食い込みました。勝てはしなかったものの、期待値重視の選定としては方向性は正しかったと言えます。
■ 特注(軸馬):18番ブラックケリー(13着)
丹内騎手の執念による先行策を期待しましたが、6番手追走から4コーナーで手応えを失いました。大外枠からポジションを取りに行った際の脚の使い方が、このハイペースでは致命的な消耗に繋がったと推測されます。
■ 本命:8番ベイビーキッス(8着)
「先行力・騎手心理ともに隙がない」との評価でしたが、ゲートでの立ち遅れがすべてでした。小倉1200mにおける序盤のコンマ数秒のミスが、最後まで響く結果となりました。
■ なぜこれほどの乖離が生まれたのか。その因果関係を掘り下げると、「特定の馬の出足の爆発力」に対する想定の甘さが挙げられます。16番がこれほどまでに飛ばすことを予見できず、それに釣られた馬群全体のスタミナ配分が、想定していた「好位安定」の馬たちを苦しめる結果となりました。
■ 反省点1:バイアスに対する過信
「内有利・前残り」という馬場バイアスを重視しすぎたあまり、それと相反する脚質である勝ち馬3番(先行だが評価低め)や7番(近走不振の逃げ)の「当日の気配」を軽視してしまいました。
■ 反省点2:多頭数における「外枠先行馬」のリスク評価
18番ブラックケリーの評価において、外枠から先行する際の負荷を過小評価していました。ハイペースが想定される中での外枠先行は、内枠の馬以上にエネルギーを消費することを、次回のシミュレーションではより厳格に組み込みます。
■ 次回への活用:
短距離戦においては「先行力」の数値だけでなく、「枠順ごとの加速コスト」を計算に加えます。また、今回のように「乾燥した高速馬場」では、単純な能力比較よりも「当日、最もストレスなく先行できる馬は誰か」という観点を最優先して組み立てます。
■ 14番人気という低評価を覆した理由は、「ハイペースへの適応能力」と「小崎騎手の一瞬の判断力」にあります。前走までの内容では考えられないほど、激しい流れの中でもリラックスして追走できていました。54kgの軽量も、後半3ハロン11.3秒を持続させる大きな助けとなりました。
■ 次走で狙える条件:
今回の勝利がフロックでないとすれば、同様の「平坦・小回り・高速決着」がベストです。特に、今回のような「前が飛ばして、中団が牽制し合う」展開でこそ、インで脚を溜める立ち回りが活きます。昇級後も内枠を引き、54〜55kg程度の斤量であれば再度警戒が必要です。
■ 通過順位15-14番手から、上がり33.2秒を繰り出して3着。戒告を受けるほどの外斜行がありながらこの結果は、実力がこのクラスで抜けている証左です。展開不向きの中、自力だけで掲示板圏内に持ってきた内容は、勝ち馬以上に評価できる部分もあります。