~京都ダート1800mにみる能力差と展開の相違~
■ 予想時点では「乾燥した良馬場」による強烈な先行バイアスを重く見て、1番人気の9番プロミストジーンを「差し馬」と定義し、評価を一段下げていました。しかし、現実は武豊騎手による積極的な位置取り(1コーナー3番手)により、同馬は事実上の先行馬として立ち回りました。
■ また、中盤(3~5ハロン目)で12.8~12.9秒という極端な緩みが発生。先行勢がスタミナを温存したまま坂の下りで加速を開始したため、後方待機の馬には物理的に出番のない展開となりました。想定していた「自制心が問われる我慢比べ」ではなく、「先行位置からさらに速い上がりを使う純粋な能力検定」へと変貌したことが大きな乖離です。
■ 逃げた5番モズカトレアの団野騎手、および8番フラッパールックの田口騎手に対し、「先行勢で差し馬を完封する」という共同歩調的なバイアスを予測していましたが、実際には武豊騎手のプロミストジーンが早めにプレッシャーをかけ、先行勢の「自制心」を破壊する形となりました。武豊騎手の「王者の心理」が、安全な差しではなく、圧倒的な力を見せつける先行策に向いた点が、展開予測の分岐点でした。
| 区分 | 馬番 | 予想評価 | 実際の結果 | 分析 |
|---|---|---|---|---|
| 本命 | 5 | S (モズカトレア) | 9着 | 先行力98.1を活かしハナを切ったが、早めに勝ち馬に並ばれ精神的に屈した。 |
| 対抗 | 13 | A (ルージュアベリア) | 3着 | 池添騎手の手綱捌きで好位を確保。想定通り坂を下って加速し、掲示板内を死守した。 |
| 特注 | 10 | A (エイシンナデシコ) | 7着 | 中段で脚を溜める形になったが、最後は他馬との決め手勝負で劣勢となった。 |
■ 【消し要素の多い馬】に挙げた上位8頭のうち、掲示板(5着以内)に入った馬は皆無でした。特に、1コーナー通過順位に基づいた「後方一辺倒の馬は厳しい」というロジック自体は、2~5着馬がすべて1コーナーで9番手以内だった事実からも、高い整合性を示していました。
■ 【不安要素の少ない馬】の2番ロフティストーリー(2着)については、岩田望騎手への鞍上強化と能力値を正しく評価できていましたが、特注馬(10番)を優先したことで、馬券構築上の優先順位が下がったことが悔やまれます。
■ 特注馬とした10番エイシンナデシコは、原騎手の攻撃的心理に期待しましたが、実際には「先行」というより「好位差し」の形になり、想定した前残りバイアスの恩恵をフルに受けることはできませんでした。対して、本命に据えた5番モズカトレアは、勝ち馬に早めに突っつかれるという「展開の不運」があり、期待値オッズ2.8に見合う安定感を発揮できませんでした。
■ なぜ5馬身もの差が生まれたのか?
最大の因果関係は、勝ち馬プロミストジーンが「先行力の数値以上に、自在性に優れていた」ことにあります。予想では過去の1コーナー通過順位から「差し馬」と断定しましたが、実際にはどの位置からでも競馬ができるポテンシャルを持っていました。この「脚質の固定観念」が、評価を誤らせた最大の要因です。
■ 中盤の緩みが生んだ結果
12.8~12.9秒のラップが3区間続いたことで、全馬に余力が残りました。この状態では、単純な「先行有利」だけでなく、「余力がある状態から誰が一番速く加速できるか」という瞬発力勝負になります。ここでプロミストジーンの芝並みの加速力が爆発し、粘り込みを狙った先行勢(5番、8番)を飲み込み、後方の馬(6番など)を置き去りにしました。
■ 1. 脚質の弾力性評価の導入
近走が差しであっても、高い先行指数やテンの速さを持つ馬については、「展開次第で先行に回る」リスク/リターンをより重く見積もります。特に、外枠に入った実力馬が砂を被るのを嫌って出す可能性を常に考慮します。
■ 2. 「中盤の緩み」予測の精密化
京都ダート1800mにおける「3コーナーの坂」手前のラップ緩化傾向を、騎手の性格(今回はベテランと若手の混在)と照らし合わせ、今回のような瞬発力特化の展開になる可能性を排除しないようにします。
■ ハワイアンティアレ(4着)
吉村騎手が大外を回して上がり37.5秒を計時。上位入線馬の中で最も距離ロスがあった中での4着は高く評価できます。今回は芝からの転向初戦として軽視しましたが、ダート適性は非常に高いです。
【次走狙い目】:今回より距離ロスが少ない内枠、あるいはコーナーが緩やかな中京・東京コース。
■ メイショウオーロラ(6着)
上がり最速36.7秒を記録。展開が完全な前残りの中、唯一後方から猛然と追い上げました。次走、先行争いが激化しペースが上がるレース(ハイペース必至の重馬場など)であれば、突き抜ける可能性があります。