マイルチャンピオンシップGⅠ 予想と結果の比較回顧《デブ猫競馬》


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■ 分析実施日: 2025年11月23日 レース後

■ レース名: 第42回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

■ 結論: レースペースの質(後半加速型の瞬発力勝負)は概ね予想通りでしたが、逃げ馬の特定と、後方勢の上がりへの評価が甘く、結果として位置取りの重要性を見誤りました。


【ペース判断の検証と展開の比較】

『予想ペースと結果ペースの比較』

■ 予想ペース: ミドル~ややスロー(ラスト4Fからのロングスパート/瞬発力勝負) ■ 結果ペース: 前半4F 45.9秒 - 後半4F 45.4秒。全体上り3F 33.6秒。
■ 検証: 予想の通り、レースは後半加速型となり、特にラスト4Fから 11.8 - 11.4 - 11.0 - 11.2 という究極の加速ラップが刻まれました。これは高速馬場での瞬発力と持続力の勝負という予想の焦点と完全に一致しています。 しかし、ペースの具体的な性質として、中盤の11.7 - 11.8の緩みが予想以上に大きく、これにより先行集団は十分な温存が可能となりました。この「前が止まらない高速上がり勝負」という点が、後方勢の台頭を難しくした最大の要因です。

『逃げ馬・隊列の検証』

■ 予想: 18.ワイドラトゥールがハナ、6.ガイアフォースが2番手。15.ジャンタルマンタルらが好位。 ■ 結果: 1.トウシンマカオがハナ、9.エルトンバローズ、15.ジャンタルマンタルが2、3番手。6.ガイアフォースは中団に控える。
■ 検証: 逃げ馬の特定に失敗しました。予想でD評価とし、逃げの可能性を考慮しなかった1.トウシンマカオ(団野騎手)が内枠を活かしてハナを主張し、これがペースメイクの主導権を握りました。 6.ガイアフォース(横山武史騎手)は先行集団には加わらず、中団の内目(4番手集団)に控える戦術に切り替えました。これは結果的にロスなく脚を溜めることに成功し、2着に繋がる好判断となりましたが、予想とは異なる展開でした。 15.ジャンタルマンタルは予想通り好位の外目(3番手)を確保し、内枠有利の京都において最もスムーズに加速できる位置をキープするという戦略が成功しました。

【騎手心理と戦術の検証】

馬番 馬名 予想戦術 結果の戦術(着順) 検証と評価
15 ジャンタルマンタル 好位の外でスムーズな加速を優先(S評価/本命) 3番手追走から2番手集団の外(1着) 完全成功。川田騎手の判断は完璧で、内枠有利でもスムーズな加速を優先し、加速ラップに33.1秒の上がりで対応。馬の能力と戦術が完全に合致。
6 ガイアフォース ハナまたは番手を主張(A評価) 中団内目(4番手集団)に控える(2着) 戦術変更が奏功。強気な先行策から一転、内目で脚を溜める戦術に切り替えたことで、末脚(33.2秒)が最大限に活かされました。
17 ソウルラッシュ 中団よりやや後方から大外強襲(S評価/対抗) 中団の外目(7番手集団)追走(6着) 戦術不発。C.デムーロ騎手は中団外目でスムーズに運んだものの、前が止まらない展開では位置取り(7番手)がわずかに後ろすぎ、上がり33.2秒を使いながらも掲示板が精一杯でした。
5 アスコリピチェーノ 好位のインを確保しロス最小限(A評価/推奨) 中団最内(4番手集団)追走(7着) 戦術が裏目。ルメール騎手らしい最内追走はロスがなかったものの、牡馬相手の高速加速ラップに切れ負け(上がり33.5秒)。外に出すスペースもなく、持ち味を発揮できませんでした。
14 レーベンスティール 中団の外目から正攻法で差し切る(B評価/特注馬) 中団(10番手)追走(12着) 不発。D.レーン騎手が中団の外から動いたものの、馬自身が究極の加速ラップに十分に対応できず(上がり33.7秒)、特注馬としての期待に応えられませんでした。
10 ラヴァンダ 先行集団直後の好位確保(B評価/推奨) 中団外目(4番手集団)追走(16着) 大敗。好位で運んだものの、後半の加速に全く対応できず(上がり34.5秒)直線で失速。能力的にこの高速GⅠの持続力勝負には適性がなかったと見られます。
3 ウォーターリヒト 中団よりやや後方でじっくり脚を溜める(E評価/消し) 中団後方内目(7番手集団)追走(3着) 大穴激走。GⅠ経験の浅い高杉騎手が完璧に脚を溜め、メンバー中2位タイの最速上がり33.0秒を引き出しました。予想では消しとしましたが、馬の潜在能力と戦術が合致し、好走。
11 オフトレイル 先行集団すぐ後ろの外目追走(C評価) 後方(13番手)追走(4着) 驚異の末脚。後方から全馬最速の上がり32.6秒を使用。位置取りの差で4着に敗れたものの、最高の戦術で最速の末脚を繰り出しました。

【回顧からの反省点と今後の教訓】

『反省点』

展開と位置取りの重要性の見誤り 後半加速型の展開は予想できましたが、京都外回りで一旦ペースが緩んだ後のラスト4Fの加速の度合いが想像以上に速く、後方勢には致命的な差となりました。上がり32秒台の末脚を使っても、前が33秒台前半で粘り込む展開では届きません。 中団より前(3〜5番手)で、かつ33秒前半の上がりを使える馬こそが絶対的な勝者となるという、高速馬場GⅠの原則を再認識すべきでした。 ■ 能力評価の固定観念 3着の3.ウォーターリヒト(E評価/消し)や、4着の11.オフトレイル(C評価)といった人気薄の馬が、究極の末脚を引き出し好走しました。GⅠ実績や人気に囚われず、馬自身の潜在的な上がり性能と、その日の騎手の完璧な騎乗による展開利(脚を溜めきる戦術)を評価する精度を上げる必要があります。

『次走への教訓』

■ 高速・瞬発力特化型のレース構造の再定義 先行して33秒前半の上がりを使える能力が、最もGⅠで信頼できる要素と見なすべきです。 今後も京都外回りや東京の高速馬場マイル戦では、位置取りを優先し、後半に33秒台の末脚を使える馬を最上位に評価します。 ■ 追い込み馬の取捨選択 追い込み馬を狙うのは、ペースがハイペースで先行勢が消耗した展開か、直線で極端に前が壁になるなど不利があった場合に限定すべきです。今回のソウルラッシュやレーベンスティールのように、正攻法の差しでは展開が向きません。

【実力以上に強い競馬をした次走注目馬】

『注目馬 No.1: 11.オフトレイル (4着)』

■ 実力以上の評価点: 後方13番手追走から、全馬最速の上がり32.6秒という驚異的な末脚を使用しました。このタイムは、勝ち馬(33.1秒)を大きく凌駕しており、能力の絶対値はGⅠレベルに達していることを示しています。 致命的な位置取り(約10馬身差)からの追い込みであり、展開の助けが一切なかった中で4着まで押し上げたのは、馬の強靭な加速力と持続力の証明です。 ■ 次走狙える条件: 狙い目: 差し・追い込みが決まりやすいハイペース戦、または直線の長い東京コース。 具体的な条件: 東京芝 1600m〜1800mの重賞(特に安田記念や毎日王冠など)。 馬場状態は問わず、前が流れる展開なら常に警戒が必要。 今回の経験を活かし、中団より前(8〜10番手)で運べた場合は、間違いなく馬券圏内の有力候補となります。

『注目馬 No.2: 3.ウォーターリヒト (3着)』

■ 実力以上の評価点: GⅠ実績や近走の成績(E評価)から人気薄でしたが、上がり33.0秒(最速タイ)を発揮し、上位に食い込みました。これは高杉騎手の完璧な騎乗によるものです。 内目をロスなく運び、直線まで脚を溜め切るという、馬の潜在能力を最大限に引き出す戦術が機能しました。 ■ 次走狙える条件: 狙い目: 内枠有利のコース、または騎手が替わらず今回のようなイン差し戦術を取れる場合。 具体的な条件: 小回りコース(特に内回り)のGII・GIIIなど、相手が手薄になるレース。 京都芝 1600m〜1800mで、今回と同様に前半を我慢し、内から立ち回る競馬が可能なレース。今回で復調の兆しを見せたため、人気が上がったとしても軽視は禁物です。