2026年 万葉ステークス 騎手心理と戦術分析《デブ猫競馬》


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京都芝3000メートルという、過酷な持久力と高度な折り合い技術が求められる長距離戦。今回はハンデ差が最大7キロという極端な構成になっており、騎手たちは自身の馬のスタミナと、他馬との重さの比較を常に頭に置いて騎乗することになります。淀の坂を2度越えるという特殊な環境において、いかにして無駄な体力を削らず、かつ有力馬を出し抜くか。9名の騎手たちの思惑と、現実的な勝機への道筋を論理的に整理しました。
1 ウェイビー — 藤懸貴志 C評価

心理:
藤懸騎手の心境は、期待と不安の狭間にあります。49.0キロという極限まで削ぎ落とされた負担重量は、通常であれば「他馬を圧倒できる武器」になります。しかし、今回は約半年ぶりの実戦であり、しかも3000メートルという長距離です。藤懸騎手としては、馬の体力不足を軽量の利でどこまでカバーできるかを冷静に見極めようとしています。無理に競り合ってスタミナを枯渇させることは避けたいものの、この重さなら前で粘るのが最善であるという論理的な結論も持っています。周囲が自分を「軽すぎて怖い存在」と見るか、「休み明けで無視できる存在」と見るか、他者の視線を意識しながら、最もプレッシャーの少ない位置を確保しようとする控えめな心理が働いています。

戦略:
戦略の核は「軽量を活かした省エネ先行」です。最内枠を引き当てたことで、スタートから最初のコーナーまで余計な足を使わずに済みます。49.0キロを活かしてハナを奪う選択肢もありますが、長丁場の京都では後半の「淀の坂」が牙を剥きます。そのため、他馬に行かせて2番手、あるいは3番手のインコースで死んだふりをするのが最も現実的です。馬場状態が良い内側を最短距離で走り続け、体力の消耗を極限まで抑えます。勝負どころの3コーナー付近で、周囲の大型馬たちが苦しみ始めた瞬間に、この軽さを武器にスルスルと再加速し、粘り込みを図ります。自ら動くのではなく、軽量による加速の良さを最後の直線まで温存する、守備的な先行策を徹底します。

根拠:49キロという超軽量は物理的に有利ですが、半年ぶりの実戦での3000メートルは心肺機能への負荷が甚大です。自らレースを作るより、内枠を活かした追走が最も論理的な浮上策となります。
2 ブレイヴロッカー — 太宰啓介 A評価

心理:
太宰騎手は、この馬の確かなスタミナに対して強い信頼感を抱いています。前走のステイヤーズステークスでの好走が、心理的なバックボーンとなっています。56.5キロという斤量は、下は49キロがいる中で重く感じられますが、太宰騎手は「この程度の重さなら、地力と長距離適性で十分に相殺できる」と考えています。特に京都の3000メートルは、スピードの絶対値よりも一定のリズムを刻み続ける持久力が求められます。太宰騎手は、人気馬であるアクアヴァーナルやヴォランテの動きを意識しつつも、自分の馬のスタミナ勝負に持ち込めば負けないという、落ち着いた勝負師の心理状態で挑んでいます。ベテランらしい冷静さで、展開が緩むのを待つ余裕があります。

戦略:
スタミナを信じた「正攻法の持続力勝負」です。内寄りの2番枠を活かし、中団のやや前、いつでも動ける位置をキープします。道中は馬のリズムを第一に考え、無駄な加減速を排除します。京都の外回りコースは3コーナーから坂を登り、4コーナーにかけて下るという特殊な形状ですが、太宰騎手はこの下り坂を利用してじわじわと加速を開始するタイミングを計ります。56.5キロの重さは坂の登りで負担になりますが、一度加速がついた後の下り坂では、むしろその慣性が強みになります。他馬が斤量差を気にして慎重になりすぎる間に、早めに仕掛けてロングスプリントの形に持ち込み、後続に脚を使わせるタフな展開を自ら演出します。

根拠:前走で3600メートルを克服した実績は、このメンバーでは随一の証明書です。斤量の差を経験値で埋める、力強い競馬が期待できる背景があります。
3 アスクドゥポルテ — 西塚洸二 A評価

心理:
西塚騎手にとって、長期休み明けの馬で挑むこの一戦は、自身の修正能力と馬の底力を試す場となります。54.0キロという斤量は、実績から考えれば非常に手頃であり、西塚騎手は「フレッシュな状態なら、格上の馬たちを飲み込める」という野心を抱いています。若手らしい積極的な心理状態にあり、休み明けという不安要素を、むしろ「他馬がマークを外してくれるチャンス」と捉えています。長距離戦ではありますが、道中の駆け引きに深入りするよりも、自分の馬が気持ちよく走れる空間を見つけることに集中しています。馬が久々のレースに戸惑わないよう、序盤は優しくエスコートしようとする、丁寧な心理が伺えます。

戦略:
戦略は「無欲のイン待機からの瞬発力勝負」です。スタミナは十分にある馬ですが、今回は休み明けのため、最初から最後までフルパワーで戦うのは危険です。そこで、中団から後方のインコースでじっと脚を溜める戦法を採ります。京都の長い向こう正面で折り合いを完璧につけ、2度目の坂越えまでは存在感を消します。西塚騎手は、先行勢が軽量馬を追いかけてペースを乱す展開を想定しています。4コーナーで馬群がバラけた瞬間、溜めていたエネルギーを一気に爆発させ、経済コースを突いて一気に差を詰めます。馬の持つハービンジャー産駒らしい粘り強い末脚を、直線だけで使い切るという、メリハリの利いた騎乗を狙います。

根拠:長距離での安定した実績があり、54キロというハンデは勝負圏内です。西塚騎手の「一発を狙う」姿勢と、馬の休息による回復が合致すれば、論理的な浮上が見込めます。
4 メイショウブレゲ — 酒井学 A評価

心理:
酒井騎手は、近走の不振を「距離不足」という一言で片付け、今回の3000メートルへの延長を心から歓迎しています。ゴールドシップ産駒特有の、追い出してからエンジンがかかるまでの時間の長さを理解しており、心理的には「やっと自分の土俵で戦える」という解放感にあります。55.0キロという斤量は全く苦にならず、むしろスタミナ勝負になればこの程度は誤差の範囲だと確信しています。酒井騎手は、周囲の速い馬たちの動きに惑わされることなく、自分のリズムを最後まで守り抜こうとする、頑固とも言える信念を持っています。最後は必ず伸びてくるという確信があるため、道中の位置取りが悪くなっても動じない、ドッシリとした心理状態です。

戦略:
徹底した「最後方待機と大外一気」です。序盤は無理に位置を取りに行かず、馬が行く気に任せて最後方付近を追走します。この戦略の狙いは、前の馬たちが作るペースに一切関与せず、自分の呼吸だけで走ることです。京都の外回りコースの利点を活かし、2度目の坂の下りから徐々に外へと持ち出します。加速に時間がかかるタイプであることを計算し、4コーナーを回る頃には既に最高速に近い状態を作り上げます。直線では最も馬場が綺麗な外側を選び、自慢のスタミナをフル回転させて先行勢を一気に掃除します。自分より斤量の軽い馬たちが坂の登りで苦戦するのを見越し、そこで差を詰めるのではなく、下りでの加速力で一気に勝負を決める戦術です。

根拠:血統背景から長距離への適性は疑いようがなく、3000メートルという舞台は不振脱却の論理的な最適解です。酒井騎手の思い切った後方策が展開に合致する可能性が高いからです。
5 アクアヴァーナル — 坂井瑠星 S評価

心理:
坂井騎手は、今回のレースで最も勝機が自分にあることを理解しています。前走の3000メートル戦で2着という結果は、この距離への完全な対応を示しており、しかも今回は斤量が52.0キロまで軽くなります。坂井騎手のようなトップレベルの乗り手にとって、このクラスの馬に52.0キロで乗れることは「ボーナスステージ」に近い心理状態を生みます。プレッシャーよりも、どうやって最もスマートに勝つかという効率性を追求する余裕があります。一方で、断然の人気を背負うヴォランテへのライバル意識は強く、常に相手の背中を視界に入れ、いつ捕まえるかを逆算している鋭い集中力を持っています。勝つことへの義務感と自信が、非常に高い次元で均衡しています。

戦略:
「徹底的なマークと軽量利の爆発」です。戦略的に最も警戒すべきヴォランテを徹底的にマークします。道中はヴォランテのすぐ外、あるいは斜め後ろという、いつでも相手の動きを封じ込める、あるいは連れて行ってもらえるポジションを確保します。52.0キロの身軽さを活かし、坂の登りでは馬のリズムを一切崩さず、最小限の扶助で駆け上がります。下り坂でヴォランテが加速するのに合わせ、こちらもワンテンポ遅れて仕掛けることで、相手を風除けにして直線の追い比べに持ち込みます。最後は斤量差を活かし、坂を登り切った後の平坦な直線で一気に突き放す、非常に合理的かつ冷徹な勝利プランを実行します。

根拠:距離適性が証明済みで、かつ52キロという斤量は大きなアドバンテージです。坂井騎手の継続騎乗による「馬との呼吸」の深化が、勝利への論理的帰結となります。
6 ダンディズム — 富田暁 B評価

心理:
富田騎手は、10歳という高齢の相棒に対し、尊敬の念を持って騎乗しています。心理的には「衰え知らずの末脚をどう引き出すか」という一点に集約されています。3000メートルという距離は決してベストではありませんが、富田騎手は「この年齢の馬なら、道中でどれだけリラックスさせられるかが全て」と考えています。若手騎手特有の勢いと、ベテラン馬の落ち着きが混ざり合い、独自の静かな闘志を燃やしています。他馬が斤量差や展開に右往左往するのを尻目に、自分たちは自分たちの走りを貫くのみ、という孤高の心理状態です。一瞬の切れ味さえ引き出せれば、展開次第で上位に食い込めるという淡い、しかし確かな期待感を持っています。

戦略:
戦略は「極限の死んだふりとイン強襲」です。10歳の馬に長距離で激しい位置取り争いをさせるのは得策ではありません。そのため、道中は最後方のインコースで、文字通り「死んだふり」をして体力を温存します。富田騎手は、前の馬たちが坂越えで脚を使い、直線で馬群が横に広がる瞬間を待ちます。外を回すロスの大きさを嫌い、直線では迷わず内側の狭いスペースに潜り込むギャンブルに近い戦法を採ります。スタミナよりも、一瞬の集中力で勝負を決める形です。他馬が外へ外へと進路を取る中で、最短距離を突くことができれば、高齢馬の経験値と富田騎手の判断力が噛み合い、驚きの追い込みが完成するという計算です。

根拠:10歳という年齢ながら末脚の鋭さは健在です。距離への懸念を「展開待ち」という受動的かつ合理的な戦略でカバーし、一発を狙う構成です。
7 ミクソロジー — 鮫島克駿 B評価

心理:
鮫島騎手は、かつての重賞馬としてのプライドを呼び戻したいという、熱い思いを抱いています。近走の不振に苦しんではいますが、今回はブリンカー着用という起爆剤があります。心理的には「馬の闘争心に火をつけること」に全力を注いでおり、道中の駆け引きよりも、いかにして馬を前向きにさせるかに腐心しています。鮫島騎手は、この馬が本来持っているスタミナと、集中力が噛み合った時の爆発力を信じています。周囲が復活を疑っている状況を、むしろ「ノーマークで走れる好機」と捉え、内面の闘志を静かに燃やし続けています。勝負師としての勘を研ぎ澄ませ、復活の狼煙を上げるタイミングを慎重に探っている状態です。

戦略:
「ブリンカーを活かした積極的な前付け」です。ブリンカーの効果で馬が前向きになることを見越し、スタートからある程度のポジションを取りに行きます。逃げ馬たちの直後、4、5番手の絶好の位置を確保し、視界を制限された馬が迷わず走れるように導きます。道中は一定のハイラップを刻み続け、他馬のスタミナを削りに行くようなタフな展開に持ち込みます。鮫島騎手は、この馬の底力を信じ、坂の下りから早めにスパートを開始する強気の競馬を選択します。スタミナ自慢の馬らしく、直線ではどれだけ泥臭く粘れるかという持久戦に持ち込むことで、近走の不振を払拭するような、力強い走りを再現しようとする戦略です。

根拠:ブリンカー装着という変化は、集中力に欠けていた近走を打破するための論理的な手段です。かつての実績が証明する持久力が蘇れば、この条件での浮上は十分にあり得ます。
8 ペプチドソレイユ — 古川吉洋 A評価

心理:
古川騎手は、芝への転戦という大きな転換点に対し、未知の可能性への期待を膨らませています。ダートで培った強靭なスタミナが、芝の長距離戦という特殊な環境でどう作用するか、心理的には「楽しみながら挑戦する」という前向きな姿勢にあります。55.0キロという斤量はダート戦に比べれば軽く感じられ、古川騎手は馬が芝のスピードにさえ戸惑わなければ、スタミナ勝負で引けを取らないと確信しています。ベテラン騎手として、芝のレースの質がダートとは異なることを熟知しており、序盤でいかに馬をリラックスさせて走らせるかに腐心する、繊細な心理状態でゲートに入ります。他馬を威圧するのではなく、自分たちのリズムを守ることに集中しています。

戦略:
「スタミナ任せの持久戦誘導」です。芝のスピード勝負では分が悪いため、レース全体をダートのような、体力を削り合う展開に持ち込みたいと考えています。外枠からスムーズに発進し、中団のやや後ろでいつでも動ける体勢を整えます。古川騎手は、京都の2度目の坂越えを勝負どころと見ています。他馬が脚を温存しようとする向こう正面から、あえて自分から動いてペースを引き上げ、レースをタフな持久力戦に変貌させます。直線での切れ味勝負では勝てないため、坂の下りを利用して早めに先頭に並びかけ、そのままスタミナの絶対値で押し切るという、ダート出身馬らしい泥臭い戦略を貫きます。

根拠:ダートでの実績が示すスタミナは本物であり、3000メートルという距離はむしろ追い風です。芝適性が未知数でも、斤量55キロでの粘り込みは論理的な警戒が必要です。
9 ヴォランテ — 吉村誠之助 S評価

心理:
吉村騎手は、前走で同コースを快勝したという揺るぎない自信を胸に秘めています。昇級戦ではありますが、馬の今の充実ぶりなら壁はないと確信しています。心理的には、自分がマークされる立場であることを強く自覚しており、若手ながらも「受けて立つ」という王者のような心理状態にあります。56.0キロの斤量は前走より減っており、条件はさらに好転していると考えています。吉村騎手は、馬の集中力を切らさないよう、周囲の些細な動きに惑わされない強い意志を持って騎乗します。自分を負かしに来るアクアヴァーナルやブレイヴロッカーの動きを冷静に計算し、最も自分が有利になるタイミングで牙を剥こうとする、冷徹なハンターの心理です。

戦略:
戦略は「完璧なリズムの追求と、坂を利用した突き放し」です。このコースの勝ち方を知っていることが最大の武器です。道中は折り合いに専念し、馬が最もリラックスできる馬群の外目を追走します。吉村騎手の狙いは、2度目の坂の上りで他馬をじわじわと追い詰め、下り坂での加速を最大化することです。前走同様、坂の下りで先行勢に並びかけ、4コーナーを回る時には既に先頭を射程圏に入れます。直線に入った瞬間に一気に突き放し、後続に反撃の余地を与えないままゴールを駆け抜ける、完璧な「再現性」のある競馬を目指します。斤量差があるアクアヴァーナルに対しても、コース習熟度と勢いでねじ伏せるという、合理的な確信に基づいた戦略です。

根拠:同コースの覇者であり、斤量減というプラス材料が重なります。吉村騎手の高い判断力と、馬の充実度が一致しているため、最も勝利に近い存在と論理的に導き出せます。
分析プロセス:水平思考による因果関係の整理
今回の万葉ステークスを分析するにあたり、私は**「3000メートルという非日常的な距離」と「49キロから56.5キロという広大なハンデ差」**が、騎手の判断にどのようなバイアスをもたらすかを軸に思考を組み立てました。

まず、物理的な事実として、京都芝3000メートルは「淀の坂」を2度通過します。この坂は、登りで心肺機能に負荷を与え、下りで脚の筋肉に負荷を与えるため、斤量の重い馬ほど「下りでのブレーキ」に体力を削られます。一方で、56.5キロを背負うブレイヴロッカーのような馬は、一度加速すればその慣性で走り続けられる利点もあります。これに対し、49キロのウェイビーや52キロのアクアヴァーナルの騎手は、この軽さを「坂での加速」に使うか、「道中の温存」に使うかという二者択一を迫られます。

私の分析では、坂井騎手(アクアヴァーナル)は後者の「温存」を選択し、吉村騎手(ヴォランテ)を徹底的にマークすることで、最も効率的に風除けを利用し、最後に斤量差で抜き去るという戦略が最も合理的であると結論づけました。これは、上位騎手ほど「他者のリソースを自分の勝利のために利用する」という判断を下しやすいという、心理的因果関係に基づいています。

また、展開面では、ダート出身のペプチドソレイユ(古川騎手)が、芝の切れ味勝負を避けるために向こう正面からペースを上げる可能性を考慮しました。この「攪乱要因」に対し、王道の競馬を貫くマックアルイーン(今回は不在ですが、同様のタイプであるヴォランテ)がどう応戦するか。若手の吉村騎手が、古川騎手の揺さぶりに対して動じずにいられるかという精神的負荷のシミュレーションを行いました。

最終的に、今回のレースは「軽量馬の出し抜き」と「実績馬のねじ伏せ」の構図になりますが、京都の長距離という特殊な舞台では、コース適性と斤量バランスが最も安定しているヴォランテとアクアヴァーナルの2頭による、静かな、しかし熾烈な「どちらが先に仕掛けるか」の心理戦が勝敗を決すると導き出しました。すべての戦略は、最後の一歩までスタミナを枯渇させないための、騎手たちの緻密な引き算の結果です。