2026年1月11日、京都競馬場で行われた淀短距離ステークスを振り返ります。事前の馬場傾向予測と実際の結果に生じた「ズレ」を正しく認識し、次走への糧とするための分析記事です。
■ 予想時点: 西風の追い風を受け、スピード自慢の9番フィオライアがハナを切ることで縦長の展開を想定。馬場傾向から「内枠・先行」が圧倒的に有利であると断定していました。
■ 実際: 12.2 - 11.1 - 11.3 というラップが示す通り、序盤から緩みのないペースとなりました。しかし、想定外だったのは「中盤の持続性」です。11.5 - 11.2 と、3コーナーの坂から直線入り口にかけて一切ペースが落ちませんでした。
■ 心理的要因: 先行勢の騎手たちは「前残り馬場」を意識しすぎるあまり、互いを牽制して早めに踏んでしまいました。この心理が結果として先行勢のスタミナを枯渇させ、外から死力を尽くして追い込んだ差し馬たちに有利な「底力勝負」へと変貌させました。
■ 評価S・5番デュガ: 最も信頼できる軸馬としましたが、結果は12着。終始外から圧力を受ける苦しい形となり、中盤の淀みないラップに脚を削られました。坂井騎手の心理も「早めに捕まえに行く」という強気なものでしたが、これが裏目に出た形です。
■ 評価A・12番ヤブサメ: 馬場傾向から評価を下げましたが、結果は1着。武豊騎手の「馬場がどうあれ、馬のリズムを守る」という冷静な心理状態が、先行集団の自滅を完璧に捉えました。
| カテゴリ | 馬番:馬名 | 結果・分析 |
|---|---|---|
| 消し要素(長期休養) | 8:エナジーグラン | 13着。予想通りスピードに対応できず。この判断は妥当でした。 |
| 不安要素(斤量) | 14:プルパレイ | 7着。59キロを背負いながら、先行集団の直後で踏ん張った内容は評価。 |
| 期待値高(11番人気) | 15:ムイ | 9着。上がり33.5秒は優秀。外枠の影響もありましたが、地力は証明。 |
■ 本命・5番デュガ(12着): 【反省】前残りの「結果論」に縛られすぎ、馬のコンディションや揉まれた際の脆さを軽視しました。ハイペース耐性よりも馬場傾向を優先した判断がミスでした。
■ 対抗・12番ヤブサメ(1着): 【成功】武豊騎手の技量を評価していた点は正解でしたが、馬場傾向に反して「勝つ」までの確信を持てなかったのが悔やまれます。
■ 特注・15番ムイ(9着): 岩田望来騎手の追い込みに期待しましたが、このペースでは物理的に位置取りが後ろすぎました。
4コーナー、逃げる9番フィオライアが苦しくなり、馬群が扇状に広がりました。ここで 6番アンクルクロス は迷わず内と中の隙間に潜り込みます。
一方、勝ち馬 12番ヤブサメ は大外を選択。この「進路取り」の背景には、武豊騎手の「今の京都の内は、踏ん張りが効きにくい」という正確な判断がありました。内を突いたアンクルクロスが一旦先頭に立ちましたが、最後は馬場の良い外を通って勢いをつけたヤブサメが、クビ差だけ差し切りました。
13番セッション は58キロを背負いながらも、直線で再加速するような伸びを見せ、3着を確保。これは能力の高さというより、吉村騎手の「強気に前へ出す」姿勢が、ギリギリまで先行利益を絞り出した結果と言えます。
■ 馬名:13番 セッション
■ 理由: 58キロという斤量、2番手追走という厳しい展開、さらには外枠。すべての不利を跳ね返しての3着は、今回のメンバーで最も価値があります。
■ 次走狙える条件: 斤量が1〜2キロ減るG3クラス、または直線の長いコース。マイル実績もあることから、スピードの持続力が問われる舞台なら、今回の負けで人気を落とす次走が最大の狙い目となります。
■ 反省点:
本日の馬場傾向(前残り)という「表面的なバイアス」に捉われすぎ、レースそのものの「ラップの負荷」を考慮しきれませんでした。特に1200mのスプリント戦において、先行馬が互いを意識した際のペースアップの危険性を軽視した点は、誠に謙虚に反省すべき点です。
■ 次走への活用:
1. 「前残り馬場」の時ほど、先行争いの激しさを予想し、差し馬の台頭をセットで考える。特に武豊騎手のような「バイアスを逆手に取る」名手の心理を深掘りする。
2. 斤量負けしない実力馬(今回のセッション等)の「底力」を、バイアスよりも上位に評価する場面を作る。