晴れ渡る空、絶好の良馬場。ここは小倉競馬場、第60回小倉大賞典の舞台です。
読者の皆様、心の準備はよろしいでしょうか。
これから行われるのは、ただの重賞レースではありません。
「世紀の大泥棒」と「執念の警部」、そして「真実を暴く名探偵」の魂が、なぜか四本足のサラブレッドに宿ってしまった超次元の戦いなのです。
そんなツッコミはパドックの隅にでも放り投げておきましょう。いざ、運命のゲートが開きます!
ドゴォォォンという轟音とともに、16頭の個性派たちが飛び出しました。
まず真っ先に飛び出したのは、1番人気の重圧を正義のバッジに変えたあの男。
(俺の辞書に二番手という文字はない。正義は常に先頭にあるのだ!)
10番ケイアイセナが、鼻息を荒くしてハナを奪います。
その後ろ、2番手にぴたりと張り付くのは、9番ナムラエイハブ(牡5)。
「うるさい!エイハブ君、君は黙って俺の背中を見ていればいいのだ!」
「そうはいきません。このレースの主導権、半分は私がいただきます」
「納得いかん!俺が一番人気なんだぞ、少しは忖度せんか!」
「競馬に忖度があれば、今頃私は億万長者ですよ。さあ、行きますよ!」
そんな先行争いを尻目に、遥か後方、砂を被るのも厭わずにニヒルな笑みを浮かべる影が一つ。
(小倉の直線は短いが、俺様の華麗な足さばきを見せるには十分だね)
一方、中団のインコースでは、一頭だけ異様に冷静な馬が、まるで見えない眼鏡を直すような仕草を見せていました。
(真実はいつも一つ。このハイペースなら、必ず内側が空くはずだ)
「ボクはただ、真実(最短経路)に向かって走っているだけだよ。エラトーさん、感情的な走りはスタミナを無駄にするだけだよ?」
「なんですって!この若造が、私に説教する気!?」
「逆ギレされても困るな。データが示しているんだ。君が今脚を使うと、最後の……あ、小倉に坂はなかったね」
「分かってるならどきなさいよ!もう、理屈っぽい馬は嫌いなのよ!」
レースは向正面。ケイアイセナの逃げは衰えるどころか、ますます加速していきます。ハロンタイムは11秒台を連発。まさに息つく暇もない、持久力の限界に挑むデス・ゲームです。
(苦しい……だが、ここで引いたらアイツを捕まえられなくなる!)
「とっつぁ~ん、そろそろ俺様も動いちゃおうかな!」
最後方にいたタガノデュードが、3コーナー手前でついに牙を剥きます。大外をぶん回し、一気に先行集団を飲み込もうとするその姿は、まさに闇夜を駆ける怪盗。
(砂が目に入って台無しだが、この加速感こそが俺の真骨頂よ)
タガノデュードはスパイラルカーブを味方につけて、遠心力すらも加速に変えていきます。
「ひゃ~、とっつぁん、まだそんな元気があったのかい!でもね、その必死な顔、俺様は嫌いじゃないぜ?」
「黙れ!この逃げは俺の魂だ、貴様なんぞに1ミリも譲らんぞ!」
「じゃあ、ちょっと横を通らせてもらうぜ!」
「納得いかん!なぜ外からそんなスピードで来れるのだ!」
「それが泥棒のテクニックってやつよ。あばよ、とっつぁ~ん!」
直線を向いた瞬間、ケイアイセナが内側で最後の一踏ん張り。内ラチ沿いから「彼」が現れました。
(計算通りだ。前の馬がバテて外に膨らむ。そこが唯一の解だ)
「ボクはただの探偵……じゃなくて、10番人気のショウナンアデイブだよ。セナさん、お疲れ様。あとは僕たちが引き受けるよ」
「ふざけるな!俺はまだ止まっていない!正義は、正義は不滅だ!」
「粘るね……。でも、摩擦抵抗と斤量の差を考慮すれば、君の負けだよ」
「逆ギレしてやる!理論なんて蹴散らしてやるわあああ!」
ケイアイセナが驚異の粘りで差し返し、内からショウナンアデイブ、そして、大外からすべてをかっさらおうとするタガノデュード。三つ巴の激突!
(お宝の匂いがプンプンするぜ。この賞金で何を買おうかなぁ)
最後は、クビ差。一番おいしいところを、予告通りタガノデュードが盗んでいきました。
(小倉の直線は短すぎるぜ。俺様の華麗な足さばき、もっと見せたかったな)
「とっつぁん、もうレースは終わりだよ。お互いゆっくり休もうぜ」
「納得いかん!なぜ……なぜ俺はいつも最後に捕まるのだ!」
「それは君が、誰よりも真っ直ぐに俺を追いかけてくれるからさ」
「……不覚にも、少しいい話だと思ってしまったではないか!バカモン!」
(蘭姉ちゃんのご飯が待ち遠しいよ。この体だと、すぐお腹が空くんだ)
そんなツッコミを置き去りにして、小倉のターフに風が吹き抜けます。勝ったタガノデュード、負けて強しのケイアイセナ、そして穴を開けたショウナンアデイブ。彼らの戦いは、これからも続いていくことでしょう。
「さて、次のお宝はどこの重賞かな?あばよ!」
―― 終 ――
「馬名【キャラ名】有」一番人気の俺が銭形警部として逃げ切ろうとしたら、世紀の大泥棒と迷探偵に一瞬でまくられた件
~小倉大賞典の激闘・ルパンvsコナン編~
あらすじ
小倉競馬場、そこは欲望と真実が交差する最果てのターフ。伝統のGⅢ「小倉大賞典」のゲートが開いたとき、伝説の怪盗、迷探偵、そして執念の警部が四本足のサラブレッドとなって激突する!1000メートル通過58.6秒という死のハイペースの先に、お宝(一着)を掴み取るのは誰だ!?
晴れ渡る空、絶好の良馬場。ここは小倉競馬場、第60回小倉大賞典の舞台です。
読者の皆様、心の準備はよろしいでしょうか。
これから行われるのは、ただの重賞レースではありません。
「世紀の大泥棒」と「執念の警部」、そして「真実を暴く名探偵」の魂が、なぜか四本足のサラブレッドに宿ってしまった超次元の戦いなのです。
読者「ちょっと待て、設定が渋滞しすぎてて話が入ってこないんだが!?」
そんなツッコミはパドックの隅にでも放り投げておきましょう。いざ、運命のゲートが開きます!
ドゴォォォンという轟音とともに、16頭の個性派たちが飛び出しました。
まず真っ先に飛び出したのは、1番人気の重圧を正義のバッジに変えたあの男。
10番 ケイアイセナ(牡7)
ケイアイセナ【銭形警部】:「ルパンッ!……あ、いや、後ろのヤツら!逃げ切ってやるぞ、どこまでも追ってこい!」
ケイアイセナ【銭形警部】:(俺の辞書に二番手という文字はない。正義は常に先頭にあるのだ!)
10番ケイアイセナが、鼻息を荒くしてハナを奪います。
その後ろ、2番手にぴたりと張り付くのは、9番ナムラエイハブ(牡5)。
ナムラエイハブ【???】:「セナ警部、あまり飛ばしすぎると後でガタが来ますよ。あなたの正義、私が隣でじっくり監視させてもらいましょうかね」
ケイアイセナ【銭形警部】:「うるさい!エイハブ君、君は黙って俺の背中を見ていればいいのだ!」
ナムラエイハブ【???】:「そうはいきません。このレースの主導権、半分は私がいただきます」
ケイアイセナ【銭形警部】:「納得いかん!俺が一番人気なんだぞ、少しは忖度せんか!」
ナムラエイハブ【???】:「競馬に忖度があれば、今頃私は億万長者ですよ。さあ、行きますよ!」
読者「おい、開始数十秒でめちゃくちゃ言い合いしてるぞこの馬たち」
そんな先行争いを尻目に、遥か後方、砂を被るのも厭わずにニヒルな笑みを浮かべる影が一つ。
16番 タガノデュード(牡5)
タガノデュード【ルパン三世】:「あ~らよっと。とっつぁん、相変わらず張り切っちゃって。そんなに飛ばすと、後でお宝(勝利)をいただく時に疲れちゃうぜ?」
タガノデュード【ルパン三世】:(小倉の直線は短いが、俺様の華麗な足さばきを見せるには十分だね)
一方、中団のインコースでは、一頭だけ異様に冷静な馬が、まるで見えない眼鏡を直すような仕草を見せていました。
4番 ショウナンアデイブ(牡7)
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「(眼鏡をキラーンと光らせる音)……ふむ。前半600メートルのラップが35秒台、1000メートル通過は、おそらく58秒台後半になるね。これは典型的なオーバーペースだ」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:(真実はいつも一つ。このハイペースなら、必ず内側が空くはずだ)
エラトー【???】:「ちょっと、そこの小さいの。分析ばっかりしてないで、私の進路を開けなさいよ。レディファーストって言葉を知らないの?」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「ボクはただ、真実(最短経路)に向かって走っているだけだよ。エラトーさん、感情的な走りはスタミナを無駄にするだけだよ?」
エラトー【???】:「なんですって!この若造が、私に説教する気!?」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「逆ギレされても困るな。データが示しているんだ。君が今脚を使うと、最後の……あ、小倉に坂はなかったね」
エラトー【???】:「分かってるならどきなさいよ!もう、理屈っぽい馬は嫌いなのよ!」
レースは向正面。ケイアイセナの逃げは衰えるどころか、ますます加速していきます。ハロンタイムは11秒台を連発。まさに息つく暇もない、持久力の限界に挑むデス・ゲームです。
ケイアイセナ【銭形警部】:「見ろ!この完璧なペース配分!これが俺の『逃げの美学』だ!」
ケイアイセナ【銭形警部】:(苦しい……だが、ここで引いたらアイツを捕まえられなくなる!)
タガノデュード【ルパン三世】:「とっつぁ~ん、そろそろ俺様も動いちゃおうかな!」
最後方にいたタガノデュードが、3コーナー手前でついに牙を剥きます。大外をぶん回し、一気に先行集団を飲み込もうとするその姿は、まさに闇夜を駆ける怪盗。
タガノデュード【ルパン三世】:「おっと、そこどいてくれよ。俺様の辞書に『進路がない』なんて言葉はないんだよねぇ!ふ~じこちゃ~ん!」
タガノデュード【ルパン三世】:(砂が目に入って台無しだが、この加速感こそが俺の真骨頂よ)
読者「16番の動きが早すぎる!まだ4コーナー前だぞ!」
タガノデュードはスパイラルカーブを味方につけて、遠心力すらも加速に変えていきます。
ケイアイセナ【銭形警部】:「待ちなさい、タガノルパン!お前の好き勝手にはさせん!」
タガノデュード【ルパン三世】:「ひゃ~、とっつぁん、まだそんな元気があったのかい!でもね、その必死な顔、俺様は嫌いじゃないぜ?」
ケイアイセナ【銭形警部】:「黙れ!この逃げは俺の魂だ、貴様なんぞに1ミリも譲らんぞ!」
タガノデュード【ルパン三世】:「じゃあ、ちょっと横を通らせてもらうぜ!」
ケイアイセナ【銭形警部】:「納得いかん!なぜ外からそんなスピードで来れるのだ!」
タガノデュード【ルパン三世】:「それが泥棒のテクニックってやつよ。あばよ、とっつぁ~ん!」
直線を向いた瞬間、ケイアイセナが内側で最後の一踏ん張り。内ラチ沿いから「彼」が現れました。
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「(腕時計型麻酔銃を構えるポーズ)……さて、仕上げの時間だ。外がやり合っている隙に、僕は最短距離の真実を掴み取るよ」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:(計算通りだ。前の馬がバテて外に膨らむ。そこが唯一の解だ)
ケイアイセナ【銭形警部】:「な、なんだこのガキ……いや、この馬は!どこから湧いて出た!?」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「ボクはただの探偵……じゃなくて、10番人気のショウナンアデイブだよ。セナさん、お疲れ様。あとは僕たちが引き受けるよ」
ケイアイセナ【銭形警部】:「ふざけるな!俺はまだ止まっていない!正義は、正義は不滅だ!」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「粘るね……。でも、摩擦抵抗と斤量の差を考慮すれば、君の負けだよ」
ケイアイセナ【銭形警部】:「逆ギレしてやる!理論なんて蹴散らしてやるわあああ!」
ケイアイセナが驚異の粘りで差し返し、内からショウナンアデイブ、そして、大外からすべてをかっさらおうとするタガノデュード。三つ巴の激突!
タガノデュード【ルパン三世】:「おっと、名探偵くんまで登場か。賑やかでいいじゃないの!でも悪いね、今日の主役は、この俺様なんだ!」
タガノデュード【ルパン三世】:(お宝の匂いがプンプンするぜ。この賞金で何を買おうかなぁ)
最後は、クビ差。一番おいしいところを、予告通りタガノデュードが盗んでいきました。
タガノデュード【ルパン三世】:「ゴールイン!……ふぅ、今回もいい仕事しちゃったね」
タガノデュード【ルパン三世】:(小倉の直線は短すぎるぜ。俺様の華麗な足さばき、もっと見せたかったな)
ケイアイセナ【銭形警部】:「待て……ルパン……。まだ、俺の……職務は……」
タガノデュード【ルパン三世】:「とっつぁん、もうレースは終わりだよ。お互いゆっくり休もうぜ」
ケイアイセナ【銭形警部】:「納得いかん!なぜ……なぜ俺はいつも最後に捕まるのだ!」
タガノデュード【ルパン三世】:「それは君が、誰よりも真っ直ぐに俺を追いかけてくれるからさ」
ケイアイセナ【銭形警部】:「……不覚にも、少しいい話だと思ってしまったではないか!バカモン!」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:「ハァ、ハァ。10番人気で3着なら、及第点かな。でも、やっぱり勝利という真実は重いね」
ショウナンアデイブ【江戸川コナン】:(蘭姉ちゃんのご飯が待ち遠しいよ。この体だと、すぐお腹が空くんだ)
読者「結局、ルパンが盗んで銭形が追ってコナンが解説しただけかよ!」
そんなツッコミを置き去りにして、小倉のターフに風が吹き抜けます。勝ったタガノデュード、負けて強しのケイアイセナ、そして穴を開けたショウナンアデイブ。彼らの戦いは、これからも続いていくことでしょう。
タガノデュード【ルパン三世】:「さて、次のお宝はどこの重賞かな?あばよ!」
―― 終 ――