函館の洋芝1,200mはスピードよりパワーと先行力が問われる舞台であり、今開催は内枠・前目の馬が優位に運べている。1番人気シカゴスティングは先行脚質のため展開は比較的落ち着いた流れが想定される。ハンデ戦ゆえ斤量差が着順に影響しやすく、洋芝適性と4角での位置取りを最重要基準として各馬を評価した。消し馬6頭を整理した上で、残り9頭から本命・対抗・特注・推奨を選出している。
【展開予想】

馬場は良・洋芝主体で含水率はやや高め。直近の函館芝レースでは逃げ・先行馬が上位を占める結果が続いており、内枠先行有利のバイアスが明確に出ている。後方一気や大外ぶん回しは直線の短い函館では決定的に不利であり、4角で先頭から5馬身以内に位置できるかが鍵となる。

1番人気と目されるシカゴスティング(武豊騎手)は先行脚質。武豊騎手は「前の集団近くで効率よく立ち回り直線で仕掛ける」戦略が予想され、積極的なハナ争いよりも2〜4番手の好位キープを狙うと思われる。これにより逃げ・先行馬が競り合う激流にはなりにくく、ミドル〜スローペースに近い先行有利展開が濃厚と見る。

逃げ候補として最も可能性があるのはアシャカタカ(小林美駒騎手)で、先行指数が最高値。ただし近走クラス通用実績が乏しく、オーバーペースで潰れるリスクがある。ドゥアムール(斎藤新騎手)パクスロマーナ(杉原誠人騎手)も積極策を予想しており、逃げ争いが競れば前崩れの可能性も生じるが、シカゴスティングが控える分だけ全体ペースが落ち着く公算が高い。

騎手心理として、1番人気が先行馬の場合、他騎手は「差し展開」を作ろうとするバイアスが働きやすいが、今回は逃げ候補の実力に疑問符がつく馬が多く、結果的にシカゴスティングが楽に前を確保できる可能性が高い。後方に控えるルーフ・ゴールドサーベル・アスティスプマンテは、直線で差し切るには前が残る展開では厳しく、少なくとも好位差しの位置から運べる馬との組み合わせが求められる。

ヴェサリウス(横山武史騎手)は自然な前め位置を確保し終盤に脚を残す戦略で、斤量56kgながら近走安定の実績が支える。ハンデ恩恵を受ける軽量馬も多いが、函館洋芝でパワーと位置取りを両立できる馬でなければ斤量差の恩恵は活きにくい。

【有利な脚質】

逃げ 先行 が最優先。次点で好位差し(中団イン差し)。

  • 直近の函館芝1,200mレースで逃げ・先行馬が連続入着しており、バイアスが明確。
  • 4角で先頭から5馬身以内の位置が当日の基準となっている。
  • 洋芝の柔らかい芝は後方からの末脚加速が出づらく、完全差し・追い込みは条件不利。
  • 小回りのため外を回すコストが大きく、内目を通れる馬が数的に有利。
【展開予想を軸に能力評価】
評価得点馬番馬名理由
S 92 6 シカゴスティング 1番人気に相当する支持を受けており、武豊騎手の技量と先行脚質が今開催の馬場バイアスに直結している。近走も大きく崩れておらず、安定した位置取りができる組み合わせ。洋芝適性も問題なく、先行有利展開を自ら作れる立場。期待値オッズは4.0倍前後が基準となり、現在オッズ(約4.7倍)はその水準を上回っており買いの条件を満たす。斤量53kgはハンデ戦でやや重いが騎手補正で十分カバーできる範囲と見る。
S 89 11 ヴェサリウス 最重量56kgを背負うが、近走の着順が安定しておりクラス通用の根拠がある。横山武史騎手は同開催同距離での複勝率が高く、自然な前め位置からの安定走が期待できる。洋芝での実績と先行力を兼備しており、斤量以外に大きな不安要素がない。期待値オッズは5.5倍前後が目安で、現在オッズ(約9.0倍)はその水準を大幅に上回る。斤量負担は気になるが、能力面で十分カバーできる可能性がある。
A 88 14 アスティスプマンテ 牝馬で夏場に向く時期。近走は着順の波があるが上位に来た実績はあり、舟山瑠泉騎手が外枠からの位置確保を優先する戦略で展開に合った動きが見込める。決め脚指数が高く、流れが落ち着けば好位差しで台頭できる。期待値オッズは6.0倍前後が目安。現在オッズ(約10.9倍)はその水準を大幅に上回り、期待値面では狙いどころとなる。函館洋芝での適性確認が必要だが、波のある馬だけに展開合致時の爆発力は侮れない。
A 78 15 ゴールドサーベル 決め脚指数が全馬中最高水準で、能力面の上限は高い。後方から直線一気の戦略だが、函館の先行有利バイアス下では届かないリスクが最も高い脚質でもある。前が残るペースになると出番が消えやすい。期待値オッズは8.0倍前後が目安で、現在オッズ(約17.4倍)は水準を上回るが、展開依存度が高く信頼性は低め。前が崩れるシナリオなら一発の可能性はある。
A 76 5 スティールブルー 11週の休養明けで上積みが期待され、牝馬かつ夏場の時期に合う。古川吉洋騎手は状況対応型の立ち回りを予想しており、前後どちらにも対応できる柔軟さがある。近走は沈んでいたが以前の好走歴があり、洋芝での対応力次第では浮上の余地がある。期待値オッズは7.0倍前後で、現在オッズ(約12.0倍)を大幅に下回らない水準。調子次第の部分が多いが、買える条件を一定程度満たす。
A 74 9 ルーフ 佐々木大輔騎手は同開催同距離の複勝率が比較的高く、安定感のある騎乗が見込める。脚質は終盤型で後方待機が予想されるが、直線の短い函館では位置取りが課題。大きく崩れない走りが期待できる一方、先行有利の馬場では勝ち切るまでの差し脚が問われる。期待値オッズは7.5倍前後が目安で、現在オッズ(約29.1倍)は大幅に上回るが、展開合致しなければ3着圏内も難しい。複勝圏の可能性をある程度持つ。
B 71 2 メルトユアハート 休養明けで前向きさがあり横山琉人騎手が継続騎乗。ただし近走は着順が伸び切れておらず決め脚指数も低め。先行力があるので位置取り自体は問題ないが、上位との差を詰める決め手に欠ける。期待値オッズは5.0倍前後が目安で、現在オッズ(約10.2倍)は上回るが、3着圏外のリスクが高い。消し馬には入らないが積極的には買いにくい。
B 70 12 ドゥアムール 函館での経験があり当地適性はある。斎藤新騎手が積極策を予想しており、先行争いに加わる姿勢は今の馬場バイアスに合致する。ただし近走の成績に波があり、決め脚指数が全馬中最低水準。前に行きながら粘り込む展開になれば面白いが、確率的には信頼度が低い。期待値オッズは4.5倍前後が目安で、現在オッズ(約5.1倍)は水準に近い水準。穴馬としての妙味より能力の裏付けが不足している。
B 68 10 エコロジーク 岩田康誠騎手が先行力を生かして早めに位置を確保する戦略。先行指数は最高水準で前に行く能力はある。ただし近走に大きな着順の波があり安定性に欠ける。良かった時の走りが出れば通用の可能性はあるが、当たれば好走、外れると大敗という傾向が続いている。期待値オッズは6.5倍前後で現在オッズ(約14.0倍)は上回るが信頼性は中程度。
B 65 7 ダークエクリプス 着順はまとまっているが上位に食い込む場面が少ない。荻野琢真騎手が中団やや前めを保つ形を維持すると予想されるが、7歳という年齢と近走の物足りなさが気になる。洋芝適性があれば浮上の余地はあるが、積極的に狙う材料が少ない。期待値オッズは10.0倍前後が目安で、現在オッズ(約32.2倍)は大幅に上回るが、能力水準から信頼性は低め。
B 61 3 エヴァンスウィート 以前は好走歴があるが直近2走は有力騎手騎乗でも大敗しており、立て直しの確認が取れていない。吉田隼人騎手が中団待機から終盤勝負を予想するが、函館の短い直線では差し切りが難しい。消し馬に近い評価だが、斤量52kgと軽量が唯一のプラス材料。期待値オッズは4.0倍前後が目安で、現在オッズ(約8.7倍)は上回るが、状態面の不透明さからここでは積極的には買えない。
C 58 13 アシャカタカ 3勝クラス昇級後に連続大敗。先行指数が最高水準で逃げを主張する可能性はあるが、昇級後のクラス通用実績がほぼない。オーバーペースで潰れた際のラップ崩れが他馬に影響する懸念がある。15週ぶりの出走で状態も不明確。消し馬に指定済みだが、展開かく乱の存在として頭には入れておく。期待値オッズは2.5倍前後で現在オッズ(約15.1倍)との乖離が大きく、信頼性は最低水準。
C 55 8 サムハンター 8歳で近4走全て着外。芝短距離の通用実績が乏しく年齢面でも厳しい。松本大輝騎手が様子を見ながら進む戦略を予想するが、上がり目が見えない。斤量52kgの恩恵があっても近走内容から巻き返しは難しい。期待値オッズは2.0倍前後で、現在オッズ(約37.1倍)との乖離が最大級。消し馬。
C 53 1 トールキン 内枠は有利だが近走の着順が大幅に伸び悩んでいる。鷲頭虎太騎手との組み合わせは浅く、安定志向の落ち着いた騎乗が予想されるが上位に絡む決め手がない。先行力も中程度で、今の馬場バイアスに乗り切れるかは疑問。期待値オッズは3.0倍前後で、現在オッズ(約39.5倍)との乖離が大きく積極的な買い根拠に乏しい。
D 48 4 パクスロマーナ 杉原誠人騎手が積極先行を予想するが、総合能力値が全馬中最低水準。近走も掲示板外が続き通用の根拠が乏しい。先行して粘り込む展開が来ないと厳しく、前が総崩れの超ハイペースにならない限り3着圏内は難しい。期待値オッズは2.0倍前後が目安で、現在オッズ(約27.4倍)との乖離が大きく消し方向。
E 35 メルトユアハート/エヴァンスウィート/マルガイ/サムハンター/マルチパクス/メルトユアハート消し6頭 (上記C評価と重複のため概略)近走大敗続きで3勝クラスの通用実績がなく、有力騎手騎乗でも結果を出せていない馬は消し方向で変わらない。
【消し要素の多い馬】(上位5頭)
馬番馬名消し理由
13 アシャカタカ 3勝クラス昇級後に連続大敗(3走で計4秒以上の差)。先行しても残れておらずクラス通用の根拠がない。15週ぶりの出走で状態不明。
8 サムハンター 8歳で近4走全て着外。芝短距離実績が乏しく年齢・成績ともに厳しい。斤量軽量も近走内容を覆す材料にならない。
10 エコロジーク(マルガイ) 近4走で人気を背負いながら複数回の大敗。有力騎手騎乗でも大敗しており能力面の通用に疑問符。岩田康誠騎手でも上積み根拠は薄い。
3 エヴァンスウィート 近3走すべて掲示板外。ルメール・武豊騎乗でも大敗しており騎手補正が効かない状態。距離・コース適性に疑問。
2 メルトユアハート 近走で1600m〜1800mが中心で1200m適性の裏付けが薄い。決め脚指数が低く差しに回れば函館の短い直線では届かないリスクが高い。
【不安要素の少ない馬】(上位5頭)
馬番馬名理由
6 シカゴスティング 先行脚質・馬場バイアス一致・武豊騎手の高い複勝率・近走安定の4要素が揃っており、不安材料が相対的に最も少ない。
11 ヴェサリウス 近走安定・前め位置取り・信頼性の高い騎手の組み合わせ。斤量56kgという一点を除けば不安材料が少なく、能力上位と見られる。
14 アスティスプマンテ 牝馬夏場優位の時期に合い、上位着順の実績もある。騎手が進路確保を優先する姿勢で外枠デメリットを軽減できる可能性がある。
5 スティールブルー 11週の余裕ある休養で上積みが見込まれ、古川吉洋騎手の柔軟な立ち回りがプラス。牝馬の夏場適性と合わせて、不安より期待が勝る一頭。
9 ルーフ 佐々木大輔騎手との安定した組み合わせで大崩れリスクが低い。終盤型のため先行有利展開では勝ち切れないが3着圏外のリスクも相対的に低め。
【期待値が高い馬】(上位5頭)
馬番馬名理由(期待値視点)
6 シカゴスティング 能力・展開・騎手が全て噛み合い、期待値オッズ約4.0倍に対して現在オッズ約4.7倍は買いの範囲内。最も信頼性が高い。
11 ヴェサリウス 期待値オッズ約5.5倍に対して現在オッズ約9.0倍は大幅に上回り、能力・騎手・近走安定の観点から狙い目。斤量は割引でも十分な差。
14 アスティスプマンテ 期待値オッズ約6.0倍に対して現在オッズ約10.9倍は大幅上回る。展開が合った際の破壊力があり、4〜9番人気以内の特注候補として最有力。
5 スティールブルー 期待値オッズ約7.0倍に対して現在オッズ約12.0倍は上回る。休養明けの上積みと牝馬夏場優位が加われば、3着圏内の期待値は高め。
9 ルーフ 期待値オッズ約7.5倍に対して現在オッズ約29.1倍は大幅上回る。展開が嵌まれば3着圏内の可能性を持ちつつ、オッズ妙味は大きい。
【本命・対抗・特注・推奨1・推奨2】
◎ 本命
6
シカゴスティング
単勝 約4.7倍
○ 対抗
11
ヴェサリウス
単勝 約9.0倍
▲ 特注
14
アスティスプマンテ
単勝 約10.9倍
推奨1
5
スティールブルー
単勝 約12.0倍
推奨2
9
ルーフ
単勝 約29.1倍
馬番馬名選定理由
6 シカゴスティング 1番人気の先行馬であり、今開催の函館芝1,200mで明確に出ている内枠・先行有利のバイアスに最も直結した存在。武豊騎手は先行有利の馬場でも無理に主導権を取ろうとせず、2〜4番手の好位から直線で仕掛けるスタイルが濃厚。アシャカタカが逃げを主張しても、その馬のクラス通用実績が乏しいため結果的にシカゴスティングが楽な位置を確保できる可能性が高い。近走も大きな着崩れがなく、今回の馬場・展開・騎手の全要素が噛み合っており3着以内に入る可能性が最も高い馬と判断する。現在オッズが期待値の基準をわずかに上回っており買いの条件を満たす。
11 ヴェサリウス 最重量56kgを課されながらも近走の着順が安定しており、クラスでの通用実績が最もはっきりしている馬のひとつ。横山武史騎手は同開催同距離での複勝率が全騎手中でも高水準にあり、「自然な前め位置を確保し終盤に脚を残す」戦略が今の馬場バイアスとかみ合う。斤量はネックだが、それを差し引いても能力面が他馬より抜けていると思われる部分がある。オッズが能力に比して高めに形成されており、期待値の観点でも対抗として最適と判断する。シカゴスティングが何らかの理由で崩れた際にこの馬が浮上する展開が最も現実的なシナリオ。
14 アスティスプマンテ 4番人気以下(現在6〜7番人気圏内と思われる)の中で最も3着圏内の可能性が高いと判断した特注馬。牝馬の夏場優位の時期に入っており、近走の着順に波はあるものの上位着順の実績がある。舟山瑠泉騎手は外枠からの進路確保を最優先する姿勢を予想しており、先行有利の馬場で好位差しの位置を取れれば展開に乗れる。決め脚指数が比較的高く、展開が嵌まった際の爆発力は上位と見られる。期待値オッズ約6.0倍に対して現在オッズ約10.9倍は大幅に上回っており、特注として最も魅力的な水準にある。シカゴスティング・ヴェサリウスが3着圏内に来る前提で、この馬が3着に滑り込むシナリオが狙い目。
推1 5 スティールブルー 11週の余裕ある休養を経ての出走で、牝馬かつ夏場の時期に上積みが期待できる。古川吉洋騎手の柔軟な位置取りが先行有利の馬場でプラスに働く可能性があり、調子が戻っていれば3着圏外のリスクは相対的に低い。近走の沈みが一時的なものであれば、以前の好走レベルへの回帰が見込める。期待値オッズ約7.0倍に対して現在オッズ約12.0倍は買いの範囲内であり、推奨1として組み合わせに加えたい。
推2 9 ルーフ 終盤型の脚質で後方待機が予想される分、先行有利馬場では直線での差し切りに課題が残る。ただし佐々木大輔騎手は安定感のある騎乗が見込め、大きく崩れるリスクは全馬中でも低い部類。3着圏内を拾いに行く局面でオッズ約29倍という水準は、3連複・ワイドへの組み込みとして期待値が高い。展開的に前が崩れたシナリオでは差し馬が台頭しやすく、その際に最も恩恵を受ける脚質の馬として推奨2に位置づける。
【比較用データ集約】
馬番馬名評価得点単勝オッズ期待値オッズ目安消し
6シカゴスティングS924.74.0◎本命
11ヴェサリウスS899.05.5○対抗
14アスティスプマンテA8810.96.0▲特注
15ゴールドサーベルA7917.48.0
5スティールブルーA7612.07.0推奨1
9ルーフA7429.17.5推奨2
2メルトユアハートB7110.25.0消し寄り
12ドゥアムールB705.14.5
10エコロジークB6814.06.5消し
7ダークエクリプスB6532.210.0
3エヴァンスウィートB618.74.0消し
13アシャカタカC5815.12.5消し
8サムハンターC5537.12.0消し
1トールキンC5339.53.0消し寄り
4パクスロマーナD4827.42.0消し