今回の日経賞は、芝2500mという長丁場において、各騎手がそれぞれの馬の個性と人気を踏まえながら、どのタイミングで動くかを慎重に見極める形のレースとなりそうです。
先行力という面では、ミステリーウェイ(11番)が近走で積極的な逃げ先行策を取り続けており、この馬がレースのテンポを決める存在になる可能性が高いと思われます。またリビアングラス(6番)やアスクナイスショー(5番)なども先行力の数値が高く、前に馬が固まりやすい構成です。
一方、マイネルケレリウス(9番)やシャイニングソード(10番)は後方から差す形が得意で、展開次第で末脚を活かす形を狙うと考えられます。コスモキュランダ(7番)は有馬記念2着の実績を持ち、中団から動いていく形が想定されます。ローシャムパーク(14番)はルメール騎手の経験値から、状況に応じた柔軟な対応が期待できます。
中山の長距離戦は、直線が短く最終コーナーでの位置取りが勝負の分かれ目になりやすい特徴があります。そのため、残り3〜4コーナーあたりでの判断—進出するかどうか—が各騎手の腕の見せどころになると思われます。展開としては、前半が落ち着いたペースから徐々に消耗戦になる流れになると、先行馬に有利な条件が揃うと考えられます。
| 馬番 | 馬名 | 騎手 | 評価 | 得点 |
|---|---|---|---|---|
| 7 | コスモキュランダ | 横山武史 | S | |
| 14 | ローシャムパーク | ルメール | S | |
| 11 | ミステリーウェイ | 松本大輝 | A | |
| 12 | チャックネイト | 大野拓弥 | A | |
| 1 | ミクニインスパイア | 丹内祐次 | A | |
| 15 | マイユニバース | 横山典弘 | A | |
| 5 | アスクナイスショー | 田辺裕信 | A | |
| 6 | リビアングラス | 三浦皇成 | B | |
| 4 | エヒト | 川田将雅 | B | |
| 9 | マイネルケレリウス | 松岡正海 | B | |
| 10 | シャイニングソード | 西村淳也 | B | |
| 13 | ブレイヴロッカー | 荻野極 | B | |
| 3 | クリスマスパレード | 石川裕紀 | C | |
| 2 | ホールネス | ディー | C | |
| 8 | ホウオウノーサイド | 杉原誠人 | C |
横山武史騎手にとって、有馬記念2着という直近のGI実績は大きな自信の根拠になっていると思われます。騎手継続という形でこのレースに臨んでいる点から、馬との呼吸が合いやすい状態であると考えられます。
4枠という内めの枠を引いており、スタート後の位置取りで窮屈になるリスクはありますが、逆に内をうまく通れば距離ロスを抑えられる利点もあります。隣の3番(クリスマスパレード)は先行力がやや低い馬ですが、6番枠側にリビアングラスという先行力の高い馬がいるため、序盤の流れに応じて自分の位置を探る必要があります。
人気は二桁前後になる可能性も想定されており、いわゆる「穴目線での人気」という状況です。この立場では過度なプレッシャーをかけられることが少なく、比較的余裕を持った判断ができると思われます。ただし有馬記念2着という成績から、周囲の注目は一定程度集まるため、完全なフリーとはいかない可能性もあります。
この馬は近走の着順が中団前後から進出するパターンを取っており、先行力の数値(73.4)からも中団よりやや前の位置に収まる形が最も自然です。中山の芝2500mは最初のコーナーまでの距離が比較的短いため、スタートからある程度の位置を確保しておくことが重要になります。
ミステリーウェイが逃げに出ると想定した場合、2〜3番手のポジションをリビアングラスやアスクナイスショーが争う可能性があります。コスモキュランダはその後ろ、4〜6番手あたりで脚をためてから、3〜4コーナーで動き出す流れになると予想されます。
ルメール騎手(14番)を強く意識した立ち回りが考えられます。ルメール騎手は後方からでも対応できるタイプのため、コスモキュランダが先に動くことで、ルメール馬が追いかける形に持ち込む可能性が最も自然な行動として想定されます。直線が短い中山では、3コーナー過ぎから動き始める判断が有効な可能性が高いと思われます。
ルメール騎手は今回の15頭の中で騎手点数が最も高い300点という状況です。人気は上位に入る可能性が高く、周囲から常に注目される立場にあります。このような状況では、大きなミスは許されないという心理的プレッシャーを一定程度感じることになると思われますが、経験豊富なルメール騎手はこのような状況に慣れているとも考えられます。
14週という間隔は、状態面での確認が必要な部分です。前走が海外遠征(香港)であり、帰国後初戦という形になります。馬が長距離輸送の疲れを完全に解消しているかどうかは外側からは判断しにくいため、ルメール騎手自身もウォームアップの感触で最終判断をすることになると思われます。
8枠外という枠は、中山の長距離戦では距離ロスが生じやすい不利な枠と言われることが多いです。ただし馬群の外側を通れるため、包まれるリスクが少なく、動きたいタイミングで動けるという利点もあります。
外枠スタートという条件から、無理に前を取りに行くよりも、中団から後方の外目を確保して追走する形が自然と思われます。ルメール騎手は状況に応じた柔軟な対応を得意としており、序盤の流れを見ながら位置取りを決める可能性が高いと考えられます。
コスモキュランダ(7番)が先に動いてきた場合に、それを追いかける形を取るのか、あるいは直線まで脚をためるのかが大きな選択肢になります。中山の直線は短いため、4コーナーで外を回って差し切るには相当な末脚が必要になります。このことから、3コーナーあたりで早めに動いてポジションを上げる動きを取る可能性が最も予想される行動です。
間隔が長い分、馬の体調が万全であれば能力をフルに発揮できる状態にある可能性があります。人気に応える騎乗を求められる立場として、無難にまとめるよりも積極的な判断を選択する場面が出てくるかもしれません。
松本大輝騎手にとって、アルゼンチン共和国杯勝利と有馬記念での前半先頭という最近の実績は大きな自信になっていると思われます。8歳という年齢のセン馬ながら、長距離での先行策が安定しており、この馬との「逃げ・先行」というスタイルが確立されています。
先行力の数値が96.4と全馬で最も高い水準にあり、スタートからハナを取りに行く選択肢が最も自然です。有馬記念でも実際に先頭に立っており、中山コースでの逃げ経験があることは心理的な余裕を生んでいると考えられます。
斤量58.0kgは今回の最重量であり、長距離でこの重さを背負って逃げ続けることには一定の負荷がかかります。ただし馬自体が長距離適性の高い個体であれば、斤量の影響は直線での粘りに現れるため、松本騎手はペース管理を慎重に行う必要があります。
先行力の数値から判断すると、スタートからハナに立つ可能性が最も高いと思われます。ただしアスクナイスショー(5番)やリビアングラス(6番)も先行力が高い馬のため、序盤に他の馬が積極的に出てきた場合は、無理に争わず2〜3番手に控える判断も考えられます。
中山芝2500mは最初のスタンド前直線が短く、その後1コーナーから長い距離を走り続けます。スローペースで前半を乗り切れれば、直線が短い中山では逃げ切りのチャンスが生まれます。松本騎手はこの馬での長距離逃げを経験しており、ペース配分の計算がある程度できていると考えられます。
人気馬のローシャムパーク(14番)やコスモキュランダ(7番)が後方から追ってくることを想定し、3コーナーで後続に動かれても慌てずに前の位置を維持する精神的な安定が必要になります。展開が向いた場合は粘り込む可能性が十分にあると思われます。
チャックネイトは総合能力値が97.6と今回の全馬中最高という状況で臨みます。しかし近2戦は着順を大きく崩しており、その原因が状態面なのか展開なのかが不明瞭な部分があります。前走のAJCCでは13着と大きく負けており、騎手が交代(キング騎手→大野騎手)という変化が生まれました。
大野拓弥騎手にとっては乗り替わりという形になるため、この馬の特性をレース前の段階でどこまで把握できているかが重要になります。新しい騎手が乗る場合、馬との会話が十分でないと、レース中の判断が後手に回る場面も出てくる可能性があります。
一方で、日経賞での過去実績(2着)があるコース・距離という点は心理的な支えになります。8歳という年齢ながら、この距離・コースへの適性は確認されており、大野騎手もその情報を踏まえて乗ることができます。
先行力と決め脚のバランスが比較的均等(64.1 vs 65.4)であるため、中団での追走から末脚を使う形が最も合っていると考えられます。7枠外目という枠は、序盤に外を走る形になりやすいですが、長距離戦では最初から内を取りに行く必要性が必ずしも高くないため、自分のペースを守りながら追走できます。
近走の崩れを考えると、大野騎手はまずこの馬の状態確認という側面でのレースになる可能性があります。無理に前に出るよりも、馬の動きに合わせて追走し、直線で脚が残っていれば追い出す形が無難な判断になると思われます。
ローシャムパーク(14番)を意識した立ち回りとして、外枠のルメール馬と同じくらいのポジションを取り、直線での競り合いに持ち込む形も考えられます。能力値が高い馬だけに、状態が戻ってきていれば上位に食い込む可能性が最も予想される展開です。
丹内祐次騎手にとって、前走1着(グレイトフルS)からの臨戦という勢いある状況でのGⅡ参戦です。近走を振り返ると着順が着実に上向いており、1番人気での2勝クラス勝利と続く流れは自信につながっています。ただしGⅡというクラスへの参戦は初めてという可能性が高く、相手関係が一気に強化される点での緊張感もあると思われます。
1枠1番という最内枠は、中山の長距離では利点と不利の両方があります。最初のコーナーまでに内側に入れれば距離ロスが最小限に抑えられますが、外からプレッシャーをかけられると窮屈になる場面もあります。丹内騎手は比較的内枠を上手く使えるタイプと言われており、スタートから自分の位置を確保する意識が高いと考えられます。
4歳馬という若さから、レース中の意外な成長や末脚の上積みも考えられる馬です。斤量56.0kgは今回比較的恵まれた設定であり、重量面でのアドバンテージがあります。
最内枠スタートという条件と先行力・決め脚のバランス(53.7 vs 59.5)から判断すると、中団内側を確保して脚をためる形が最も合理的です。先行して主導権を取るには先行力がやや物足りない数値であり、後方に構えて大きく動くには決め脚もそこまで突出していません。
最内を走ることで距離ロスを最小限にし、3〜4コーナーで馬群が外に膨らんだタイミングで内側を通って抜け出す形が理想的な競馬になると考えられます。ただしこの戦略は他の馬が前を固めた場合に前が壁になるリスクがあります。
人気馬(ローシャムパーク・コスモキュランダ)への対抗策として、最内から早めに動くという選択肢も考えられます。GⅡ初挑戦という立場を逆手に取り、相手が意識していないタイミングで動き始める積極策が展開次第で機能する可能性があります。4歳という若さから、経験を積んだベテラン馬相手でも引けを取らない体力が期待されます。
横山典弘騎手は中2週という非常に短い間隔での参戦に対して、どのように判断しているかが重要です。前走(湾岸S)を1着で勝利しており、馬の状態は良好であると考えられます。ただし短間隔での連戦は体力的な消耗を蓄積させる可能性があり、特に長距離では後半の粘りに影響が出ることがあります。
4歳馬という年齢と、前走1人気1着というプレッシャーある状況での好走は、この馬の現在の充実ぶりを示しています。横山典弘騎手は経験豊富であり、短間隔でも馬の調子を見極めながら乗る技術は高いと考えられます。
8枠最外という枠は、スタートから外を回る形になりやすく、中山の長距離では距離ロスが問題になりやすい部分です。ただし横山典弘騎手は外枠でも自分のペースを崩さない乗り方をすることが多く、無理に内に入ろうとせず外目を追走する戦略を取る可能性があります。
先行力と決め脚のバランスが比較的均等(60.1 vs 56.3)であり、外目の中団追走から直線で脚を使う形が自然です。8枠という外枠のため、他の馬が内側を通るのと対比して、外目をラクに追走できるポジションを確保する可能性があります。
横山典弘騎手の特徴として、じっくり後ろから脚をためて直線勝負に持ち込む形を好む傾向があります。前走1着の余力という心理的な余裕から、今回も焦らず自分のペースで乗る可能性が高いと思われます。
短間隔での参戦という条件が「馬が元気すぎる」状態である場合、折り合いに苦労する場面も出てくるかもしれません。横山典弘騎手はそのような状況でも馬を宥める技術を持っており、前半の落ち着きを作ることが今回の課題になると予想されます。展開次第では末脚を活かした好走の可能性があります。
田辺裕信騎手は前走1着(迎春S)からの参戦であり、しかも前走でマイユニバース(今回15番)を下した実績があります。この事実は、今回の人気馬への自信という意味で心理的な支えになっていると思われます。
先行力74.6という数値は今回の15頭の中でも上位に位置しており、自然と前目の競馬が合っている馬です。ただし決め脚が31.3と低い点から、前を取れた場合は粘れますが、差し勝負になると苦しくなるパターンが予想されます。田辺騎手はこの点を理解した上で、先行策で流れを作る役割を担う形になると考えられます。
3枠という中枠は、序盤の混戦でも比較的動きやすい位置です。隣に4番エヒト(川田騎手)がいますが、エヒトは先行力76.1とさらに高く、序盤での位置争いが生じる可能性があります。この二頭がどちらを前に出るかが、序盤の展開を左右する要因の一つになります。
先行力から判断すると、スタートから積極的に先行ポジションを確保することが最も合理的です。ミステリーウェイ(11番)が逃げに出た場合でも、その直後の2〜3番手を狙う位置取りが理想になります。
中山芝2500mでは、前半から一定のペースで走り続ける先行馬が残りやすいコース特性があります。スローペースで前半を落ち着かせれば、直線での粘りが機能する可能性が生まれます。決め脚が低い馬の場合、残り800m以降で逃げ馬が脚を使い切る展開よりも、一定のペースで前を維持し続ける展開のほうが有利になります。
ルメール騎手(14番)のローシャムパークが後ろから追ってくることを想定した場合、ペースを落とすと逆に有利になる面もあります。先行馬として「流れのコントローラー」になれるかどうかが、この馬の最終的な着順に影響します。展開次第で粘り込む可能性があるという評価が妥当と思われます。
三浦皇成騎手への乗り替わりという形での参戦です。前走(京都記念)は4着で、前々走(日経新春杯)は3着と、GⅡ格のレースでも一定の結果を残しています。三浦騎手との新しいコンビという状況であり、馬との意思疎通を素早く確立できるかが鍵になります。
先行力84.2という高い数値は今回の15頭の中で最高水準であり、自然と先行ポジションを取りに行く馬です。ただし中山コースの経験が少ない可能性があり、コース特性への対応が課題になることもあります。
前走からわずか5週という短めの間隔は、馬が一定の体調を維持していることを示唆していると思われます。ただし三浦騎手がこの馬の状態を十分に把握できているかは、乗り替わり直後という状況から判断しにくい部分があります。
先行力が全馬最高水準にあることから、スタートからハナを主張しやすい馬です。しかしミステリーウェイ(11番)も先行力が高く、両馬が同時に前を取りに行く展開になると、序盤から消耗戦になる可能性があります。
三浦騎手は乗り替わり直後という状況から、無理に主導権を争うよりも馬の自然な先行スタイルに合わせる形を取る可能性が高いと思われます。2〜3番手程度に収まれば、ペース管理という面では楽な立場になります。
決め脚が28.1と低い点が最大の課題です。長距離での消耗戦になった場合、後半での失速リスクが高まります。GⅡ格の馬が揃う今回のレースでは、先行策が決まっても直線で差されるパターンが考えられます。展開が向けば3〜4着圏内に入る可能性はありますが、勝ちに行くには末脚の弱さが課題になると思われます。
川田将雅騎手への乗り替わりは、この馬にとって大きなプラス材料になり得ます。騎手点数243という高い水準は、今回の出場騎手の中でもルメール(300)に次ぐ上位です。ただし前走のAJCCでは2着(前走騎手:菅原明良)という結果でしたが、近走全体を見ると着順が安定しない状況が続いています。
川田騎手は乗り替わり直後でも実力を発揮することが多く、馬の特性を素早く把握して最適な乗り方を選ぶ技術があると知られています。この点から、初コンビという不安よりも騎手強化によるプラス効果のほうが大きいと考えられます。
9歳という年齢は、馬の体力的な衰えを考える上で無視できない要素です。先行力76.1という数値は今回でも上位に入りますが、加齢とともに持続力が落ちる傾向があることも考慮に入れる必要があります。
川田騎手の傾向として、馬の特性に合わせた合理的な騎乗を選ぶことが多いです。エヒトは先行力が高いため、序盤から前目のポジションを取る可能性が高いと思われます。3枠4番という枠は序盤に動きやすい位置であり、スタートから無理なく2〜4番手程度に収まる形が想定されます。
川田騎手が乗る場合、ルメール騎手(14番)との比較という観点が生まれます。川田騎手はルメール騎手を意識しながら、先に動いて有利なポジションを確保する積極策を取ることがあります。中山の長距離では内枠優位という側面があるため、3枠という位置を活かして内側から動く形が理想的と思われます。
馬の状態次第という部分が大きく、状態が万全であれば川田騎手の技術で上位に食い込む可能性がありますが、9歳馬の体力的な限界という要素が最終的な評価を抑える形になります。
松岡正海騎手に乗り替わりとなります。この馬の特徴は決め脚97.6という今回最高の末脚数値を持ちながら、近走の成績が二桁着順続きという大きなギャップです。数値上の末脚ポテンシャルは高いのに、実際のレースで発揮できていない状況から、松岡騎手は「どうすればこの末脚を引き出せるか」という課題意識を持って乗る可能性があります。
先行力が17.6と非常に低く、スタート後は自然と後方に下がる形になります。日経新春杯での4着(前走)はある程度の結果を示しており、完全に力を出し切れていないわけではありません。
9週という間隔は標準的であり、体力的な問題はないと考えられます。ただし近走の着順(17着→4着)の波が大きく、状態の波も大きい馬である可能性があります。
先行力が極めて低いことから、後方からの差し競馬一本という形が必然になります。中山の芝2500mで後方から差し切るには、直線が短いため3〜4コーナーで相当のポジションアップが必要です。または最終直線での末脚一発という形が想定されます。
松岡騎手は後方待機という状況でも、馬群の外から一気に動く積極的な差し方を選択することがあります。前が詰まる展開や先行馬が粒揃いでペースが上がる展開になれば、差し馬に有利な条件が整い、末脚を活かせる可能性があります。
ただし中山コースの特性として、直線での差し届かないケースが多い点は課題です。末脚の数値は高くても、実際のレースでそれが機能しない理由が何かある可能性もあり、現状では積極的な評価は難しいと思われます。展開が向いた場合の一発を狙う形での評価が妥当です。
川田将雅騎手から西村淳也騎手への乗り替わりという変化がありました。前走(日経新春杯)は川田騎手で8着と結果が出ず、今回は西村騎手に交代という形です。西村騎手にとっては、新しい馬との組み合わせで結果を求められる状況です。
この馬は昇仙峡Sを1着で勝利した実績があり、長距離への適性は示されています。しかしGⅡ格では前走8着と力の差を感じさせる結果でした。西村騎手は「この馬の何を変えればGⅡで通用するか」という視点で臨む可能性があります。
先行力が26.4と低く、自然に後方からの競馬になります。ただし決め脚76.6は今回の出走馬の中でも上位に入り、展開が向けば末脚が機能する可能性があります。6枠という中外の位置は、後方から動く形では悪くない枠と言えます。
決め脚重視の構成から、後方から末脚を使う差し競馬が基本戦略になります。西村騎手は馬の動きに合わせて乗るスタイルが多く、無理な位置取りより馬の自然な流れに沿う形を取ることが多いと思われます。
中山の長距離で後方差しを機能させるには、先行馬が消耗する展開が必要です。ミステリーウェイやアスクナイスショーが積極的に前を走る展開になると、終盤での失速が生まれ、後方差し馬に有利な条件が整います。西村騎手はこの展開を待ちながら、馬が動ける瞬間を見極める乗り方が予想されます。
ただし前走のGⅡ8着という結果から、この相手関係での差し込みには相当な展開の助けが必要と思われます。現時点では積極的に推す根拠が少なく、展開次第での馬券内という評価が妥当です。
荻野極騎手との継続コンビという安定要素があります。前走ダイヤモンドS(3600m)3着という結果は、長距離でのスタミナが確かにあることを示しています。4週という短い間隔での参戦ですが、前走を3着と好走した勢いそのままに挑む形は、馬の状態が維持できていることを示唆します。
荻野騎手と継続コンビという点から、この馬の走り方についての理解は深まっていると思われます。どのタイミングで前に出るか、どこで仕掛けるかという点での判断がスムーズに行えると考えられます。
ただし今回の2500mは前走の3600mより1100mも距離が短く、距離短縮というマイナス要素があります。超長距離で走れる馬が必ずしも2500mで同等のパフォーマンスを出せるとは限りません。この点が騎手にとっての不確実性として残ります。
先行力60.7は今回の15頭の中間程度です。スタートから中団前後に自然と収まる形が想定されます。荻野騎手の傾向として、馬の自然な流れを大切にしながら、無理なく追走する乗り方が多いと思われます。
距離が短縮という条件を活かして、前走より積極的な位置取りを取る選択も考えられます。3600mでのレースで培ったスタミナが2500mでは末脚として機能する可能性もあります。ただしこの理屈が成立するには、馬の体力がGⅡ格の相手に対して通用するレベルにある必要があります。
穴馬得点が112と今回で最低水準という点は、人気と実力のバランスが合っている状態を示しています。大きく人気を上回るという意外性は期待しにくく、現実的な着順として5〜7着程度が最も予想される結果と思われます。
石川裕紀騎手との継続コンビですが、前走16着という大きな凡走が続いている状況です。近走を見ると、牝馬限定戦での実績はある馬ですが、今回は牡馬が中心のGⅡ別定戦であり、相手関係の強化は明らかです。
ブリンカーを着用するという変化がありますが、これは集中力が落ちていたり、他馬に気を取られやすい状況への対策として装着されることが多い器具です。前走の大敗の原因がそのような点にあった可能性があり、今回の装着でどこまで改善されるかが注目点になります。
2枠3番という内枠は、ポジション取りという面では有利ですが、先行力が52.2とさほど高くない状況では活かしにくい面もあります。石川騎手は継続コンビであり馬の特性は理解しているものの、前走の大敗からの立て直しという難しい立場での騎乗になります。
先行力と決め脚のバランスは均等ですが、全体的な数値が今回の15頭の中では最低水準に近いため、上位争いへの参加は難しいと思われます。ブリンカー着用の効果がどの程度出るかが最大の見所になります。
石川騎手としては、大きな着順変動ではなく、前走16着から少しでも着順を上げることが目標になる可能性があります。牝馬55kgという斤量は今回の牡馬57kg勢に対して2kg軽いですが、能力差を斤量だけで埋めるには限界があります。
展開に大きく恵まれた場合でも、上位に食い込む可能性は現状の数値・成績から低いと判断されます。馬の状態が前走よりも改善されていることが大前提となります。
ディー騎手(フランス人騎手)が騎乗するという点で、日本の競馬場への対応という課題があります。61週という超長期休養明けは今回の最大のリスク要因であり、騎手としても馬の状態を完全に把握した上での騎乗ではない可能性があります。
休養前のエリザベス女王杯3着という実績は評価できますが、1年以上のブランクがある場合、筋肉の落ち方や体型の変化、精神的な実戦感覚の欠如など、複数の面での不安が重なります。ディー騎手としては、まずこの馬が実戦でどう動くかを見極めながら乗る、情報収集的な騎乗になる可能性があります。
牝馬55kgという軽量は一定のアドバンテージではありますが、長期休養明けの体力的な問題を斤量だけで補えるとは限りません。2枠2番という内枠は、ポジション取りという面では有利ですが、長期休養明けの馬がGⅡで即結果を出すという状況の難しさのほうが大きいと思われます。
ディー騎手の騎乗傾向は日本での実績が限られているため、どのような戦略を取るかの予測は難しい部分があります。ただし総合能力値が95.8と高い数値を持つ馬であることから、馬自体のポテンシャルは高いという前提で乗ることになると思われます。
先行力と決め脚のバランスが良い(64.4 vs 62.6)馬のため、中団からの競馬が自然です。長期休養明けの馬に無理な位置取りをさせるよりも、馬の自然なペースに任せて追走する形が最も安全な選択になると考えられます。
復帰初戦という性質上、今回のレースは「結果より状態確認」という意味合いが大きい可能性があります。次走以降への布石として、この長距離GⅡで実戦感覚を取り戻すという目的での出走と考えると、大きな着順変動への期待は難しいと思われます。
杉原誠人騎手との継続コンビですが、前走14着と近走も安定しない状況が続いています。7歳という年齢も加わり、馬の戦力的な衰えという現実的な側面があります。杉原騎手にとって、この馬での結果を出すことの難しさは継続コンビの期間を通じて理解しているはずです。
穴馬得点が86.9と今回の15頭で最低水準という数値は、能力と人気が概ね一致している状態を示しています。大きな意外性を期待する根拠は数値上では見当たりません。
騎手点数161という数値も今回の中では低い水準にあり、騎手・馬ともに今回の相手関係では苦しい立場になると思われます。杉原騎手としても、馬の力を最大限に引き出すという側面に集中した騎乗になると考えられます。
先行力34.9と低いため、中団から後方での追走が自然な形です。決め脚64.8は今回の中では中位程度ですが、総合能力値が低い中でこの数値があるということは、末脚に特化したスタイルが向いている可能性があります。
ブリンカーを着用しており、集中力を高める試みがなされています。ただし前走でも14着と大きく負けており、装具の効果が限定的である可能性もあります。
現実的な評価として、今回のGⅡ格で馬券に絡む可能性は低いと判断せざるを得ません。7歳という年齢と近走の成績、穴馬得点の低さが重なる状況での上位評価は根拠が薄い状態です。杉原騎手が最善を尽くす形で、少しでも着順を上げることが現実的な目標になると思われます。