第74回 北海道新聞杯 クイーンステークス(GⅢ)札幌芝1800m 分析《デブ猫競馬》


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洋芝・小回りコースとなる札幌芝1800mの牝馬重賞は、瞬発力よりも持続力とコーナリング性能が問われやすく、札幌・函館での実績がある馬の信頼度が高いと考えられる。前半はスロー〜ミドルペースが想定され、逃げ・先行勢が主導権を握りつつも、好位で脚を溜めた差し馬にもチャンスが残る展開になりやすい。今回は、コース実績と仕上がり、そして陣営の取り組み姿勢が高水準で揃った馬を中心に据えつつ、市場評価との乖離にも注目したい。

【展開予想】

馬場状態は良、クッション値はやや軟らかめの数値が示されており、洋芝の傷みは少なく良好な状態と考えられる。トラックバイアスの分析では、明確な内外の有利不利は確認できないとされる一方、脚質面では好位・先行がやや有利で、中団からの差しも通用しやすく、最後方からの一気の追い込みはやや不利になる可能性があるとされている。参考レースでも好位勢の安定した成績が目立っており、この傾向は本レースにもある程度当てはまると推測される。

展開予想では、逃げ・先行力に優れる馬が主導権を握る可能性が高いとみられ、続いて先行タイプの馬が控える形が想定される。激しい先行争いにはなりにくく、道中は落ち着いた流れになりやすいと考えられるため、ペースはスロー〜ミドルと明記できる。

想定隊列としては、先頭付近に先行意欲の高い逃げ・先行タイプが位置し、その直後に先行力のある馬が続く形が想定される。中団には自在に立ち回れるタイプや持続力型の馬が構え、後方には切れ味を活かしたい差し・追い込みタイプが控えるという隊列が考えられる。

このような流れの場合、直線に向いてからは好位で脚を溜めた馬と、持続力を活かして早めに動ける差し馬の両方に展開利があると考えられる。一方で、最後方からの一気の追い込みタイプはやや届きにくい可能性があり、位置取りの巧拙が結果を左右しやすいレースになると推測される。思考過程で重視されている持続力・コーナリング性能の高さは、この隊列においても優位に働く可能性がある。

【有利な脚質】

先行・好位:バイアス分析で最も有利とされており、道中の位置取りロスが少なく、直線でも脚を溜めやすいため。

差し:中団からの差しも通用しやすいとされており、スロー〜ミドルペースであれば持続力を活かして早めに動ける馬にもチャンスがあると考えられる。

【展開予想を軸に能力評価】

評価得点馬番馬名理由
S9711コガネノソラ 思考過程が最重視する洋芝・札幌実績について、一昨年のクイーンS勝ち馬という舞台実績があり整合性は高い。札幌芝1800mの距離・コース適性は申し分なく、差し脚質はバイアスとも合致する。丹内騎手の継続騎乗と調教への騎乗は状態確認が行き届いている印象で、勝負気配も最上位グループ。近走は福島牝馬S勝利で内容も良好。期待値オッズとの比較では8.0倍という人気ながら実力上位と考えられ、買いの範囲にあると考えられる。不安材料としては休養明けの一戦である点が挙げられるが、調整過程は順調に進められている。
S969エリカエクスプレス 思考過程が重視する先行力・持続力の面で最上位に位置し、逃げ・先行から自分の形に持ち込める点は展開予想とも一致する。1800m適性、近走内容(春の大舞台でも差の少ない競馬)ともに高水準。武豊騎手への騎乗依頼や調整過程からも勝負気配は非常に濃いと判断できる。単勝1番人気で期待値オッズを下回る可能性はあるが、能力・展開・気配の三拍子が揃っている点は評価したい。不安材料としてはハナに立った場合にマークされやすく、想定より速いペースになった際の粘り込みに課題が残る可能性がある。
S957ココナッツブラウン 能力評価では最上位の数値を示しており、思考過程が重視する持続力・コーナリング性能の裏付けとなる決め脚の高さも際立つ。洋芝1800mでの明確な実績データは判断材料不足だが、近走はGⅠでも差の少ない内容を継続しており近走内容の評価は高い。追込脚質はバイアス上やや不利とされる最後方一気に近いが、スロー〜ミドルの流れであれば十分展開利を得られると考えられる。勝負気配も最上位クラスで、仕上げ・継続騎乗ともに万全と判断できる。不安材料は前が壁になるリスクである。
A9014ヴーレヴー 思考過程との整合性については、札幌芝への適性が確認済みとされている点が大きな根拠となる。自在の脚質は展開予想の隊列上も対応力が高く、好位〜中団からの立ち回りが期待できる。1800m適性、近走内容(前走巴賞勝利)ともに良好で、横山典弘騎手の継続騎乗も評価材料。勝負気配はSクラスで、期待値オッズ(17.4倍)との比較でも妙味があると考えられる。不安材料は中2週とやや間隔が詰まっている点である。
A885アンゴラブラック 洋芝札幌・函館実績については判断材料不足だが、重賞での安定した実績があり1800m適性は高いと考えられる。先行力に優れ、バイアス上有利とされる好位からの competing運びが可能。近走内容は安定しており、10週の休養を経て入念に調整された経緯から勝負気配は最上位グループ。期待値オッズとの比較では13.9倍とやや低めだが、能力面の裏付けは厚い。不安材料は休養明けの一戦であることである。
A852ケリフレッドアスク 函館記念からの転戦という経緯があり、洋芝実績の面である程度の裏付けがあると考えられる。決め脚は高水準で持続力の面でも評価できるが、追込脚質はバイアス上やや不利とされる最後方一気に近く、前が壁になるリスクは無視できない。横山武史騎手が調教にも騎乗し状態確認を重ねている点、近走内容ともに良好で勝負気配は最上位クラス。期待値オッズは13.1倍で、4番人気以下の中では上位人気となるため、特注評価に値すると考えられる。
A8213ルージュソリテール 洋芝実績データは判断材料不足だが、先行力は高水準で持続力を活かした好位からの立ち回りが期待でき、バイアスとも合致する。1800m適性、近走内容(重賞での好内容)ともに評価できる。中5週で十分な調整期間を確保しており、勝負気配は高いグループ。期待値オッズとの比較では32.5倍と人気を下回る評価であり、市場が過小評価している可能性があると考えられる。不安材料は最終追い切り時計がやや控えめであった点である。
B743カテリーナ 洋芝実績については函館での連勝という具体的な裏付けがあり、思考過程が最重視する項目と整合的である。一方で能力評価の総合値は他馬と比較してやや見劣りし、先行脚質はバイアスと合致するものの格上挑戦となる点は不安材料。近走内容・勝負気配は良好で、浜中騎手が調教にも騎乗している。期待値オッズは19.9倍で、洋芝実績を評価材料とすれば妙味がある可能性も考えられる。総合力の面ではS・A評価馬に一歩譲ると判断した。
B724リラボニート 洋芝実績は判断材料不足。自在の脚質は展開対応力があり、バイアス上有利な好位〜中団での立ち回りが可能と考えられる。1800m適性、近走内容は安定しているが瞬発力勝負になった場合はやや不安が残る。中2週で状態維持を重視した調整が続けられており、勝負気配は高め。期待値オッズは26.5倍で、能力面から見るとやや妙味があると考えられる。
B718エラトー 洋芝実績は判断材料不足。自在の脚質でバイアスにはある程度対応できるが、展開分析では展開待ちのグループに位置づけられており、隊列面でやや恵まれにくい可能性がある。1800m適性は問題ないが、中2週と間隔が詰まっている点は不安材料。近走は札幌芝で軽快な動きを見せており調整過程は評価できる。勝負気配は高めで、期待値オッズは65.9倍とやや高いが、能力面から見ると過剰人気薄とも言い切れない。
B7010フェスティバルヒル 洋芝実績は判断材料不足。差し脚質は展開次第で通用する可能性があるが、展開分析では展開待ちのグループに位置づけられる。1800m適性はあるが、3歳牝馬としての格上挑戦であり相手強化の面で不安が残る。近走内容は成長を感じさせる内容で、軽量を生かした調整が行われている。勝負気配は高めだが、能力比較ではS・A評価馬に譲ると判断した。
C601フレミングフープ 洋芝実績は判断材料不足。差し脚質はバイアスにある程度対応できるが、能力評価では決め脚の数値がやや低めであり、約20週の長期休養明けという点も実戦勘の面で不安材料となる。近走内容は大崩れしていないものの、能力比較ではS・A評価馬に見劣りする。期待値オッズは44.0倍だが、能力面の裏付けが薄いため積極的な評価は難しいと考えられる。
C5812ボンドガール 洋芝実績については一昨年のクイーンSでの好走歴があり一定の評価材料となるが、能力評価は総合値が最も低い部類に位置し、近走内容も不足気味である。差し脚質はバイアスに対応できるが、展開分析では展開次第のグループにとどまる。勝負気配は高めだが、能力比較の面で上位陣に譲ると判断した。
C576クリノメイ 洋芝実績は判断材料不足。差し脚質はバイアスに対応できるが、約20週の長期休養明けに加え初コンビの騎手となる点は不安材料。能力評価、近走内容ともにS・A評価馬に見劣りする。調整量自体は十分とされているが、能力比較劣勢と判断し評価を抑えた。

【消し要素の多い馬】(上位5頭)

馬番馬名理由
1フレミングフープ長期休養明けで実戦勘の面に不安があり、決め脚の数値も他上位馬に比べて見劣りする。能力比較でも劣勢と考えられる。
6クリノメイ長期休養明けに加え初コンビの騎手起用となり、近走内容もS・A評価馬に比べて不足気味である。
12ボンドガール能力評価の総合値が最も低い部類に位置し、近走内容も不足気味。展開面でも展開次第のグループにとどまる。
10フェスティバルヒル3歳牝馬としての格上挑戦であり、相手関係の強化に対する経験不足が懸念される。展開分析でも展開待ちのグループ。
8エラトー中2週と間隔が詰まっており、展開分析でも展開待ちのグループに位置づけられ、隊列面での恵まれにくさが懸念される。

【不安要素の少ない馬】(上位5頭)

馬番馬名理由
11コガネノソラ札幌での実績、継続騎乗、順調な調整過程が揃っており、能力・展開・気配のいずれの面でも大きな不安材料が見当たらない。
9エリカエクスプレス能力・先行力ともに最上位で、近走内容、調整過程、騎手起用のいずれも高水準に揃っている。
7ココナッツブラウン能力評価は最上位で、近走内容・調整過程ともに安定している。脚質面のみやや展開依存の要素が残る。
14ヴーレヴー札幌芝適性が確認されており、自在脚質で展開対応力も高く、調整過程も好調を維持している。
5アンゴラブラック先行力に優れ重賞実績も安定しており、休養明けではあるが調整過程は万全とされている。

【期待値が高い馬】(上位5頭)

馬番馬名理由
13ルージュソリテール先行力・持続力の面で評価できる一方、単勝オッズは32.5倍と人気を下回っており、市場が過小評価している可能性があると考えられる。
14ヴーレヴー札幌芝適性が確認された自在脚質馬でありながら、単勝オッズは17.4倍とやや伸び悩んでおり、妙味があると考えられる。
4リラボニート展開対応力のある自在脚質で能力面も一定水準にあるが、単勝オッズは26.5倍とやや高めであり、期待値面での妙味が考えられる。
3カテリーナ函館での連勝という洋芝実績を持ちながら、単勝オッズは19.9倍にとどまっており、市場評価と分析結果の乖離が考えられる。
2ケリフレッドアスク決め脚の高さと勝負気配の濃さを踏まえると、単勝オッズ13.1倍(5番人気)はやや割安の可能性があると考えられる。

【本命・対抗・特注・推奨1・推奨2】

馬番馬名
本命11コガネノソラ
対抗9エリカエクスプレス
特注2ケリフレッドアスク
推奨113ルージュソリテール
推奨214ヴーレヴー

選定理由

本命にはコガネノソラを選定した。思考過程が最も重視する洋芝1800m適性(札幌・函館実績)について、一昨年のクイーンS勝ち馬という具体的な舞台実績があり、重要事項ランキング1位の項目に最も高い整合性を示している。差し脚質はトラックバイアス上も通用しやすいとされ、展開予想でも中団後方から対応できる位置取りが想定される。勝負気配は最上位グループで、丹内騎手の継続騎乗や調教への騎乗からも状態面の不安は小さいと考えられる。能力評価、近走内容ともに高水準であり、複数の評価軸で総合的に上位と判断できることから本命に選んだ。

対抗にはエリカエクスプレスを選定した。能力評価では先行力が最も高く、自らの形に持ち込みやすい逃げ・先行脚質は展開予想とも合致する。近走内容、調整過程、勝負気配のいずれも最上位クラスにあり、能力面での不安は小さいと考えられる。ただし単勝オッズが1番人気であり期待値面ではやや見劣りする可能性があること、また自身がハナに立った場合にペースが速まりマークされるリスクが残ることから、本命ではなく対抗の評価とした。

特注にはケリフレッドアスクを選定した。5番人気(単勝13.1倍)と4番人気以下の条件を満たしつつ、決め脚の高さ、勝負気配の濃さ、展開分析での有利グループ入りなど複数の材料が揃っている。追込脚質がバイアス上やや不利とされる点は不安材料だが、スロー〜ミドルペースが想定されることを踏まえると展開の恩恵を十分に受けられる可能性があると考えられる。

推奨1にはルージュソリテールを選定した。先行力・持続力の面で評価できる一方、単勝オッズが32.5倍と人気を下回っており、市場評価と分析結果の乖離が期待値面での妙味につながると考えられる。

推奨2にはヴーレヴーを選定した。札幌芝への適性が確認されている点は思考過程との整合性が高く、自在脚質で展開対応力もあることから、上位争いに加わる可能性が十分にあると考えられる。