真宮寺教授の秘密講義《デブ猫競馬》
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第四章:TOP5の格付け、あるいは「距離の壁」という名の絶望
研究室の大型モニターには、生き残った5頭の精鋭たちが映し出されている。もはや「走る必要のない馬」はいない。ここからは、誰が一番「勝利の女神」に愛される資格があるかを決める、残酷な格付けの時間だ。
神宮寺:「いい、若葉。ここからが真のデータ・アナリシスよ。単に強い馬を選ぶのではないわ。この中山2000メートルという『迷宮』に最も適したパズルのピースを探し出すの」
若葉:「パズルのピース! 教授、それってパズルを完成させたら、願いが叶うとかいう伝説の……」
神宮寺:「それは千年パズルか何かの話かしら? 競馬のパズルを完成させても、手元に残るのは的中馬券か、ただの紙屑のどちらかよ。佐倉くん、まずは第5位から発表して」
第5位:タイダルロック
理由:中山2000mの経験は豊富だが、すでに底が見えている。非サンデー系の血統背景も、勝ち負けには不向き。
若葉:「タイダルロック! 潮の岩! 海の男って感じで強そうやん!」
佐倉:「若葉さん、名前は爽やかですが、中身はかなり苦しいです。すでにこのコースを2回走って最高4着。つまり限界がバレているんです。おまけに父モーリスは非サンデー系。重い呪縛となります」
若葉:「足首に重りつけられた囚人さんやったん……」
タイダルロック。経験はある、実績もある。けれど「爆発力」がない。統計学で言うところの期待値が一定で、上振れが期待できない馬。彼らは常に走り続け、そして常に誰かの背中を見送る運命にある。
第4位:テルヒコウ
理由:重賞実績はあるが、上位馬との力関係がすでに決着済み。2000mへの距離延長もリスク。
神宮寺:「続いて第4位。若葉、残念ながら競馬に飛行機能は実装されていないわ。この子は大きなレースで4着になったけれど、今回の上位陣に完敗しているの。逆転の論理的根拠が見当たらないわ」
若葉:「空飛ぶ予定が、滑走路で足踏み状態か……。世知辛いなぁ」
第3位:ライヒスアドラー
理由:中山での勝利経験があり、タフなコース適性は高い。しかし、非サンデー系の血が「1着」への道を阻む。
佐倉:「第3位はライヒスアドラーです。馬券圏内(三着以内)に食い込む確率は高いですが、血統の壁が厚い。過去10年、このレースで非サンデー系の馬が勝った例はゼロ。勝ち切るまでには至らない、それがデータの限界です」
若葉:「帝国も血筋には勝てんのか……。最近の転生モノでも結局は血筋やもんなぁ……」
神宮寺:「さあ、残るは2頭。ついに頂上決戦よ」
第2位:アドマイヤクワッズ
理由:実力・指数(112)ともに最強クラス。しかし「1600mしか走っていない」という距離延長が最大の毒。折り合いを欠けば沈む。
若葉:「一番人気になりそうな子が2位? なんでやの教授!」
神宮寺:「マイルのスピードで走り続ける馬にとって、最後の400メートルの延長と中山の急坂は地獄の苦しみよ。能力だけで押し切る可能性はあるけれど、論理的には全幅の信頼は置けないわ」
第1位:パントルナイーフ
理由:重賞完勝(指数111)、中山1800mでの圧勝実績。1800mからの200m延長はリスクが最小。能力と適性の黄金バランス。
佐倉:「栄光の第1位はパントルナイーフです。アドマイヤクワッズが『1600mからの延長』なのに対し、この子は『1800mからの延長』。わずか200メートルの差ですが、これが決定的な差になります」
若葉:「画家のパントルくんが坂道をスイスイ登って、優勝の文字を書くってわけやね! 決まった!」
パントルナイーフの指数111、アドマイヤクワッズの112。これらは確かに強力。けれど、データが美しく揃いすぎている。もしもこのレースが「理屈」が通用しないほど荒れるとしたら? 誰かが私の計算式にノイズを放り込んでいるとしたら?
神宮寺:「若葉、私はこの『正解』を疑っているわ。佐倉くん、もしもこの1番人気、2番人気が同時に飛ぶような『大波乱』が起きるとしたら……そこまで考え抜かなければならないわ」
佐倉:「了解です。若葉さん、次はダークサイドへの潜入です。心の準備はいいですか?」
若葉:「ウチ、怖くなってきた……。でもフィギュアのために付いていくわ!」