真宮寺教授の秘密講義《デブ猫競馬》


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第五章:波乱のシナリオ、あるいは「闇堕ち」する解析学

研究室の照明がいつの間にか落とされ、複数のモニターから放たれる青白い光が三人の顔を怪しく照らし出していた。神宮寺教授は、まるでお気に入りの悪役(ヴィラン)が覚醒するシーンを待つかのような、不敵な笑みを浮かべている。

神宮寺:「いい、二人とも。ここまでは『光』の世界の話。つまり、順当に、理屈通りに物事が進んだ場合のシミュレーションよ。けれど、競馬の神様は往々にして意地悪。もしも人気馬が飛ぶ『大波乱』が起きるとしたら、評価を根本から反転させる必要があるわ」
若葉:「きょ、教授……。なんか雰囲気が完全に『ラスボス』のそれやんか。背景に黒い翼が見えそうやで!」
佐倉:「これは教授なりの『リスクヘッジ』なんですよ。人気馬が中山の急坂で力尽きた時、この戦場は『地獄のサバイバルレース』へと変貌します。その地獄を生き残る『真の怪物』を特定しましょう」
若葉:「地獄のサバイバル……! よし、覚悟決めたわ! そのダークサイドのTOP5、教えてや!」
第5位:アドマイヤクワッズ
第4位:パントルナイーフ

理由:波乱シナリオにおける「最大の犠牲者」。1600m~1800mのスピードで指数を稼いだ彼らにとって、中山2000mのタフな消耗戦は、スタミナ切れの毒となる。

スピード指数112。それはあくまで『マイル』という短い距離での数値に過ぎない。もしレースが淀みのない消耗戦になったら? 肺が焼け、筋肉が悲鳴を上げる中山の坂で、そのスピードはただの『重荷』に変わる。彼らは王座から転落する最も美しい生贄なのよ。
佐倉:「彼らは二人とも2000メートルが初めてです。もし展開が激しくなれば、スマホの充電がボス戦の途中で1%になるような絶望に直面します」
若葉:「スマホの充電1%! 必殺技出す前に画面真っ暗や! ほな、その地獄で笑うんは誰なん?」
第3位:テルヒコウ
第2位:ライヒスアドラー

理由:上位馬に瞬発力では劣るが、「バテないしぶとさ」を持つ。人気馬が自滅するサバイバル展開で、HP(体力)の高さが活きる展開。

神宮寺:「第2位ライヒスアドラー。新馬戦で中山を勝ち上がっている実績は大きく、コース経験がモノを言うわ。人気馬が苦しむ中、しぶとく抜け出すシナリオが描けるわね」
若葉:「『地味な俺が実は最強』系の主人公みたいやな! で、教授。その頂点……波乱の王は?」
第1位:タイダルロック

理由:唯一の中山2000m重賞(京成杯)での掲示板実績。スピード不足が、消耗戦においては「確実なスタミナの生存証明」へと反転する。

神宮寺:「究極の穴馬……それは、タイダルロックよ」
若葉:「あの『海の囚人』くんか!? なんでやの!」
佐倉:「タイダルロックは唯一、この舞台での完走が証明されているんです。指数107という平凡な数値が、極限の消耗戦においては『最後まで走り切る力』へと化けます。これぞ逆転の真実ですよ」
若葉:「弱みが強みに変わるなんて、サブキャラが最終回で大活躍する展開やん! 教授、ウチ、タイダルロックくんのこと好きになってきたわ!」
でも、若葉。忘れないで。これはあくまで『もしも』の話。そして、この私の分析すらも、所詮は数字という名の『まやかし』かもしれないわ。