10秒で加速する天才牝馬、阪神の直線でアンコールを叫ぶ

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~チューリップ賞の激闘~(推しの子編)

CAST SETTING

1着:タイセイボーグ(有馬かな風)
2着:ナムラコスモス(星野ルビー風)
3着:アランカール(星野アイ風)
4着:グランドオーパス(MEMちょ風)
5着:ダンデノン(黒川あかね風)
「馬名【キャラ名】有」 「VOICEVOX: 四国めたん」「VOICEVOX: ナースロボ_タイプT」「VOICEVOX: 春日部つむぎ」「VOICEVOX: 雨晴はう」「VOICEVOX: 波音リツ」「VOICEVOX: 冥鳴ひまり」「VOICEVOX: もち子さん」「VOICEVOX: WhiteCUL」「VOICEVOX: 後鬼」 ゲートが開くけたたましい音が、 まるでライブの開演ブザーのように鳴り響く。 阪神競馬場の芝1600メートル、 右回りの外回りコースという大舞台の幕が上がった。 前半のペースは12.5秒から11.3秒とミドルペース。 馬群が密集しやすい絶好のバズり空間が形成されていく。 グランドオーパス(MEMちょ風)「よーし、私の作ったペースにみんなハマってるね?」 先頭集団を引っ張るのは、自撮りでもしているかのような余裕の表情の逃げ馬だ。 (最初の1ハロンは12.5秒、これでバズる画角は私のモノよ!) ダンデノン(黒川あかね風)「……あなたの筋肉の動きから、次の進路を読み取ったわ」 グランドオーパス「ちょっと!そんな真顔で後ろから見つめられると配信映えしない!」 ダンデノン「……私はただ、あなたの生み出す空気抵抗を利用しているだけよ」 グランドオーパス「可愛げがないわね!もっと笑顔でカメラ目線とかできないわけ!?」 ダンデノン「……ファンサービスは私のタスクに含まれていないわ、前を向きなさい」 一切の感情を排して1から2馬身差の好位を死守するダンデノン。 (現在のラップは11.3秒、私の事前シミュレーションと寸分違わぬ完璧なペース) 二頭の背後では、純粋無垢な足音がターフを蹴り上げていた。 ナムラコスモス(星野ルビー風)「わぁ、すごい!観客席の視線が全部私に集まってる!」 グレースジェンヌ(2番牝3)「ちょっと外側からプレッシャーかけないでよ、走りにくいわ!」 ナムラコスモス「えー?一緒に走ったほうが画面が華やかになって絶対楽しいよ!」 グレースジェンヌ「アンタのその底抜けの明るさ、競り合いの緊張感が台無しになるのよ!」 ナムラコスモス「そんなことないもん!ほら、もっとキラキラした汗を流そうよ!」 (絶対止まらない!私の夢は、この直線の先で一番星になることなんだから!) ナムラコスモスは外枠の不利など気にも留めず、天真爛漫なステップで先行する。 その後ろにはエレガンスアスクやスマートプリエールたちが、 1馬身以内でひしめき合い、息苦しいほどのポジション争いを繰り広げていた。 第3コーナーへ突入すると、ラップは12.6秒から12.1秒へと落ち着く。 このミドルペースの維持が要因となり、馬群はさらに密集度を増していった。 泥が飛び交い、各馬の息遣いが交差する中団グループ。 そこで一際不機嫌そうに走る、プロ意識の塊のような少女がいた。 タイセイボーグ(有馬かな風)「ふん、スローペースね。子役の台本読みより簡単よ!」 (重賞の舞台でこんなに土を飛ばして……後のケアが大変じゃないの、もう!) タイセイボーグ「ちょっと前の馬!進路塞ぐなんて素人?プロの仕事をなさいよ!」 スマートプリエール(4番牝3)「うっさいわね!こっちだって密集してて身動き取れないのよ!」 タイセイボーグ「言い訳なんて聞きたくないわ!観客は結果しか見てくれないのよ!」 スマートプリエール「ならアンタが空飛んで前に行けばいいじゃないのよ、この元子役!」 タイセイボーグ「誰が子役よ!私は今をときめく実力派のセンター候補なんだから!」 中団の外側という絶好のポジションで、タイセイボーグは鋭い視線を光らせる。 一方で、馬群のさらに後方。 最後尾近くで異質なオーラを放ちながら、優雅に手を振る少女がいた。 アランカール(星野アイ風)「みんなー!私の走りに恋してくれた?まだまだ序の口だよ☆」 (おっと、ちょっと計算違いかな?でも可愛いから、どんな位置からでも許されるよね!) コニーアイランド(10番牝3)「アンタ、1番人気なのにこんな後ろで余裕ぶってていいの?」 アランカール「いいのいいの!最後に追い抜くのが一番エンタメとして盛り上がるでしょ?」 コニーアイランド「その理屈は意味不明よ!届かなくても知らないからね!」 アランカール「ふふっ、心配してくれてありがとう。でも私の魔法を信じててね!」 後方待機策をとるアランカールは、圧倒的なカリスマで周囲の空気を支配していた。 レースは運命の第4コーナーへと突入し、状況は一変する。 ラップタイムが11.3秒へと上がり、一気にスパート合戦が始まったのだ。 遠心力と加速の要因が絡み合い、馬群は扇状に大きく広がっていく。
劇的な第4コーナーの攻防

▲ 運命を分ける第4コーナーの激闘

グランドオーパス「ちょっ……!ここで11秒台の加速とか聞いてないんですけど!?」 ダンデノン「……前の馬の呼吸が乱れた。内側に0.5馬身の隙間ができる確率85%」 グランドオーパス「勝手に確率出さないでよ!私のバズり配信が台無しになっちゃう!」 ダンデノン「……私はただ、勝利という最適なエンディングを導き出しているだけ」 内側が絶対的に有利なコース特性の中、先行集団は激しいせめぎ合いを見せる。 外回りの距離損を強いられる後続馬たちの焦りがピークに達していた。 ナムラコスモス「ねえねえ!私たち、すっごくいい感じに目立ってない?行っちゃお!」 グランドオーパス「あーもう!若い子のエネルギー怖すぎ!道は絶対に譲らないんだから!」 ナムラコスモス「えー?もっと楽しく走ろうよ!ほら、笑顔笑顔!私もっと前に行くね!」 グランドオーパス「勝手に言ってなさい!私の作ったバズり空間は命がけで死守するから!」 外側のポジションから、タイセイボーグは前方の僅かな隙間を見定めていた。 そこへ、後方から大外を回って進出してきたアランカールが並びかける。 アランカール「ねえそこの君、すっごく真面目だね。私のこと、ちゃんと分析できてる?」 タイセイボーグ「ちょっとそこの1番人気!その余裕しゃくしゃくなツラ、剥ぎ取るわよ!」 アランカール「えー?私のこと見てくれてるの?嬉しいな、ファンになっちゃう?」 タイセイボーグ「ファンなわけないでしょ!アンタのその嘘の輝きを塗り替えてやるのよ!」 アランカール「あはは、必死な感じ嫌いじゃないよ. でも主役の座は私がもらうからね!」 タイセイボーグ「行かせるわけないでしょ!センターは私がもらうわ、逆転劇の始まりよ!」 舞台はついに、473メートルの過酷な最終直線へと雪崩れ込む。 ラップタイムは驚異の10.7秒、極限のトップスピードが芝を焦がす激戦区だ。 ここでの位置取りの自由度という要因が、最後の末脚という結果を大きく左右する。 グランドオーパス「坂がきついよ〜……誰か、私の背中に『いいね』押して押して!」 (ここで失速したらトレンド落ち確定!?嫌だ嫌だ、絶対前残りしてやるんだから!) 先頭で粘り込みを図るグランドオーパスだが、前半のペースメイクによる疲労が重い。 ダンデノン「……13番のステップ。あんなのデータにない……本番で化けたの!?」 (……やっぱり現場は計算通りにいかない。私の分析が、まだ甘かったというのね……) 内側へ進路を取ろうとするダンデノンだが、馬群の密集に阻まれ進路が狭まり苦戦する。 そこに、弾けるような笑顔でナムラコスモスが内ラチ沿いから強襲を仕掛ける。 ナムラコスモス「見てて!私がこのレースの『一番』になるんだから!止まらないよ!」 (うぅ……脚が重いよ……でも、ここで止まったら可愛くないよね?気合いで進む!) 前を行く先行馬たちの失速という要因が、ナムラコスモスに絶好のスペースを与える。 経済的な進路取りの恩恵を受け、粘り強い走りで先頭へと躍り出る。 しかし、その輝きすらも飲み込むような、圧倒的なカリスマが大外から飛来した。 アランカール「最後に追い抜くのが一番盛り上がるでしょ?最高のエンディングだよ!」 (後方待機で溜めた私のエネルギー、全部ここで解放しちゃうから!みんな見ててね!) 大外へ持ち出したアランカールが、上り33.0秒という魔法の末脚で全てを撫で斬る。 距離損という不利をものともしない、ファンを熱狂させる完璧なアイドルステップだ。 だが、真の主役は、そのさらに内側。 馬群の僅かな隙間を縫って現れた、泥臭くも美しい天才だった。 タイセイボーグ「見てなさい!完璧なタイミングで抜け出して、視線を独占してあげる!」 (先行馬の疲労で生まれたこの隙間!私の計算通りよ!絶対にセンターは譲らない!) タイセイボーグは中団外から内寄りへと進路を切り替え、上り33.1秒の脚で爆発する。 柔軟な位置取りという要因が、最高の末脚という結果を見事に引き出したのだ。 ナムラコスモス「ああっ!抜かされちゃう!でも負けない、私だって輝けるんだから!」 タイセイボーグ「甘いわよ新人!アタシがこの泥臭い舞台で、誰よりも輝いてみせるわ!」 アランカール「やるじゃん、君。でも、私の愛のパワーもまだまだ負けてないからね☆」 タイセイボーグ「アンタの愛なんて知ったこっちゃないわ!私が一番なんだからぁっ!」 激しい競り合いの末、タイセイボーグがナムラコスモスをクビ差で捻じ伏せる。 大外から迫るアランカールの猛追も凌ぎ切り、堂々と先頭でゴール板を駆け抜けた。 2着にナムラコスモス、3着にアランカール。 4着には意地で粘ったグランドオーパス、5着にダンデノンという激闘の結末。 かくして第33回チューリップ賞は、 プライドを貫いた天才少女の、泥だらけの最高の笑顔で幕を閉じたのである。