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第01章『Eランクの採掘士』
「VOICEVOX: 四国めたん」「VOICEVOX: 青山龍星」「VOICEVOX: 玄野武宏」「VOICEVOX: 麒ヶ島宗麟」「VOICEVOX: 春日部つむぎ」「VOICEVOX: 中国うさぎ」「VOICEVOX: 白上虎太郎」「VOICEVOX: 剣崎雌雄」「VOICEVOX: 雀松朱司」「VOICEVOX: 小夜/SAYO」「VOICEVOX: 雨晴はう」「VOICEVOX: もち子さん」「VOICEVOX: 櫻歌ミコ」「VOICEVOX: 冥鳴ひまり」
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歴史とは、決して一握りの英雄の剣のみによって紡がれるものではない。

最前線で飢えに苛まれた兵士が、最後の乾パンを戦友と分け合った刹那。 車輪の砕けた輜重(しちょう)馬車が、たった一本の橋を渡り損ねた致命的な遅滞。 あるいは、暗愚な王が玉座で「まだ戦える」と呟いた、その絶望的な一言。 そうした凡庸で些細な選択の連鎖こそが国家を興し、幾多の帝国を灰燼(かいじん)に帰してきたのだ。
人類歴一二八七年――クロスディア大陸。

この広大な世界は、確かな足音を立てて静かなる終焉へと歩を進めていた。
北方戦線。誇り高き北帝国の軍団は氷雪の荒野で魔族軍と激突し、たった数日で一つの師団が作戦地図上から永遠に消滅した。

西方戦線。長命種エルフとの国境線では、すでに一世紀にも及ぶ不毛な消耗戦が続き、血の泥沼に勝者の姿はない。

東方戦線。不可侵の霊峰に座す竜王のもと、飛竜の群れが気まぐれに飛来しては、防衛線上の都市を無慈悲な炎で焼き払っていく。

だが、人類が最も恐れるべき脅威にして、世界最強の武力機構――『魔王軍』。

彼らと対峙する南方の戦線においてのみ、奇妙かつ不自然な戦略的均衡が保たれていた。
発端は十年前。 東方魔王が、玉座から忽然(こつぜん)と姿を消したことである。

一部では「勇者の凶刃に倒れた」とまことしやかに囁かれ、魔術師たちは「未知の儀式で次元の彼方に消し飛んだ」と推論した。 しかし、真実を知る者はいない。
唯一絶対の事実は、その日を境に東方魔王軍が一切の対外侵攻を停止し、完璧な防衛体制へと移行したことだけだ。 それはまるで、玉座の主の帰還をひたすらに、そして狂信的に待ちわびるかのような異様な沈黙であった。
だが、覇権を争うもう一人の巨大な暴力が、この権力の空白を見逃すはずもなかった。
西方魔王。

力と闘争を信仰するその武断的指導者は軍を動かし、東方領土への苛烈な侵攻を開始した。 世界を二分する魔族同士の全面戦争――その余波だけで人類の国力は擦り切れ、かろうじて保たれていた世界の均衡は今、崩壊の臨界点へと達しようとしていた。
人類には、もはや次の一手を受け止める余力など残されていない。 あと一つ、盤上の駒が倒れれば――世界は決定的な戦火に呑み込まれる。
◇
人類連合の最高意思決定機関、円卓会議室。 そこは、濃密で重苦しい絶望に支配されていた。
円卓を囲む各国首脳、歴戦の将軍、高位の聖職者たち。彼らの視線は、壁一面に掲げられた巨大な作戦地図に釘付けとなっていた。

そこには無数の赤い旗が、まるで不治の病の斑点(はんてん)のように増え続けている。 それは、人類が失った都市の数に他ならなかった。
「……北方第三要塞、陥落」

報告官の乾いた声が響くが、室内(しつない)に驚きの色は浮かばない。もはや、一つの要塞が落ちた程度で動揺する時期はとうに過ぎ去っていた。
「西方魔王軍、東方国境へ向けての大規模侵攻を継続中。対する東方魔王軍は、依然として鉄壁の防衛に徹しています」 「……東方が打って出ない理由は?」 「不明です。彼らの戦略意図は、完全に不可解なままです」
会議室の全員が、息苦しいほどの猜疑心を共有していた。 十年間、最強の軍隊がただの一歩も国境を越えない。 答えのないその沈黙は、迫り来る西方の暴力よりも遥かに底知れない不気味さを漂わせていた。
やがて、重たい空気を切り裂くように、一人の老大神官が静かに立ち上がった。 「……我々に残された時間は、砂時計の最後の一粒に等しい」

老人は深い皺に覆われた顔で世界地図を見つめ、残酷な事実を宣告する。
「認めねばなるまい。もはや我ら人類の力のみで、この絶望的な戦局を覆すことは不可能であると」 その言葉を否定する者は一人としていなかった。
「ならば――次元の彼方より、新たな希望を招き入れるしかありません」 居並ぶ首脳たちが、弾かれたように顔を上げる。 それは百年前の厄災を機に厳重に封印された禁忌の術式。 世界の理を捻じ曲げる特異点――『異世界召喚』。
万死に値する沈黙の末、議長たる南王国の国王が、己の寿命を削り取るかのように重々しく頷いた。 「……勇者召喚の儀を、執り行う」

かくして、人類の存亡を賭けた血を吐くような決断は下された。
だが、玉座と権力の座に就く者たちは、誰一人として知る由もなかった。 人類すべての悲願と絶望を背負い、星の海を越えて呼び寄せられる存在が、世界を救う輝かしき『勇者』などではないということを。
それが――定時退社と平穏な日常をこの世の何よりも愛する、かつての『東方魔王』その人であるという、この上ない喜劇(ミスマッチ)であったことを。
四時間目の現代文。

窓の外では、けだるい夏の風が校庭の木々を静かに揺らしている。

初老の教師が発する単調な声は、チョークが黒板を叩く音とともに、教室のぬるい空気へと溶け込んでいった。 「……ここ、期末に出るぞー」 誰ひとりとして聞いていない。 前列では女子たちが小声で笑い合い、背後からは机の下で器用にスマートフォンを操作する気配がする。 どこにでもある地方都市の、ごくありふれた高校二年生の風景。 平和で、退屈で、無害な昼前。
だが、最背面の特等席である窓際にだけは――決定的に『普通ではない』男子生徒が一人陣取っていた。 指揮(しき)タクト。

初夏だというのにパーカーのフードを深く被り、差し込む陽射しを忌避するように背を丸め、分厚い大学ノートに黙々とペンを走らせている。 使い込まれた表紙には、黒のマジックで堂々とこう記されていた。 『世界設定 第九版』

「また書いてるよ……」 「ホント飽きないよね」 前の女子たちがチラリと振り返り、くすくすと笑う。 だが、タクトは気にも留めない。周囲の雑音など、もはや彼の耳には届いていなかった。それどころか、自身の構築したロジックの美しさに満足げな笑みすら浮かべている。
『東方魔王軍・兵站組織』 『輜重(しちょう)からの補給線は三重構造を維持』 『魔王は非戦闘員として本陣を絶対動かない』 『代理総司令官(CEO)への全権委任による完全自律型組織』
「……完璧だ」 思わず漏れた会心の呟きに、隣の悪友が呆れたように苦笑する。 「また異世界か?」 「ああ」 「お前も好きだなぁ」 「物語を書くより、世界そのものを設計している時間が一番楽しいんだよ」 「で、その設定資料、今何冊目?」 「百冊を超えたあたりから数えてないな」 「いや、大作RPGでも作んのかよ」
クラスでも、タクトの奇行は有名だった。

漫画もゲームも人並みに嗜(たしな)むが、彼が真に愛してやまないのは『設定の構築』に他ならない。 独自の魔法理論、国家の税制、軍隊の兵站(へいたん)、魔王軍の官僚機構、政治、経済、地政学に基づいた地図、そして緻密な歴史年表。 それはもはや創作のメモという次元を通り越し、一つの異世界を丸ごと創造せんとする執念に満ちていた。
ゆえに、クラスメイトからの評価は満場一致である。 ――『ガチの設定オタク』。 本人も全く否定しない。むしろ「設定考証の甘いファンタジーは許せない」と、謎のプライドすら抱いていた。
「そこまでやるなら、さっさと小説サイトに投稿でもすりゃいいのに」 「まだその時じゃない」 「なんでだよ」 「世界の設定が完全に仕上がってないからな」 「お前それ、サグラダ・ファミリアみたいに一生完成しないやつだろ」 悪友の的確なツッコミに、周囲から小さな笑い声が漏れる。 タクト自身も否定できず、やれやれと肩をすくめた。 「まあ、サグラダ・ファミリアなら百年待てば完成するさ」
その、和やかな瞬間だった。 ズキッ――。

「……っ」 突如、右目の奥を鋭い痛みが貫いた。 タクトは思わず顔を顰(しか)め、右手で目元をきつく押さえる。ここ最近、頻繁に起きる謎の眼痛(がんつう)だ。
「また目か?」

「ああ……ちょっとね」 「お前、マジで一回病院行けって」 「大丈夫だ」 心配する悪友に、タクトは痛みを堪えながら軽く笑ってみせる。 「昔から、たまにあるんだよ」
物心ついた頃から、ときどき右目が焼け付くように熱を持つ。 まるで、自身の中に眠る『強大な何か』が、封印を破って暴れ出そうとしているかのような、ぞわぞわとした感覚。 もちろん、眼科も脳外科も受診したが、医学的な異常は一切見つからなかった。 だからこそ、タクト自身は極めて冷静にこの症状を結論づけている。 (……間違いなく、重度の中二病による幻痛――プラシーボ効果だな) 自分が痛い奴であることを自覚している分、まだ救いはある――本気でそう思っていた。
そんな自虐的な考察をしていると、待ちに待った四時間目終了のチャイムが鳴り響いた。 昼休みの到来。 教室の空気は、授業中のまどろみから一気に解放され、活気づく。
「購買ダッシュ行くぞ!」 「今日はカツカレーの日だ!」 「急げ急げ、売り切れる!」
腹を空かせた高校生たちの、どこまでも平和で騒がしい日常。 だが、その尊い平穏があと数秒で永遠に失われるなどと、この空間の誰一人として、知る由もなかった。
突如、床が――精緻な幾何学模様を描きながら、淡く白く発光し始める。

「……え?」 最前列の女子が呆然と漏らした声を合図にするように。 次の瞬間、視界を焼き尽くすほどの眩い閃光が、教室を空間ごと暴力的につつみ込んだ。
「な、何これ!?」

「地震!? いや、窓が……!」 「違う、床が光って――キャアアアアッ!」
絶叫。混乱。無数になぎ倒される椅子の音。 重力感覚が消失し、意識が白い光の奔流へと呑み込まれていく中。 タクトの薄れゆく視界の最後に映ったのは、自身の机上に無防備に広げられたままの、あのノートだった。 『世界設定 第九版』 (……しまった。せめて机の中に隠しておけばよかった……!)
世界崩壊の危機において、この上なくどうでもいい『黒歴史露見への恐怖』を最後に。 タクトを含む二年生クラスの全員が、光とともに教室から忽然と姿を消した。
視界を白く焼き尽くした閃光が、ゆっくりと晴れていく。

最初に鼻腔(びくう)をくすぐったのは、数百年単位で蓄積された冷たい石の匂いと、甘く重たい蜜蝋(みつろう)の香りだった。 「ここは……」 タクトが瞬きをして目を開くと、そこにもはや見慣れた教室の風景はなかった。
代わりに広がっていたのは、豪奢(ごうしゃ)にして荘厳な白亜の神殿。

天を衝(つ)くほど高いヴォールト天井を何十本もの大理石の柱が支え、ステンドグラスから差し込む陽光が、長く伸びた真紅の絨毯(じゅうたん)を鮮やかに照らし出している。その輝きは、真っ直ぐに絢爛たる玉座へと続いていた。
両脇に整列するのは、一切の装飾を排した実戦用の白銀甲冑(かっちゅう)に身を包む近衛騎士たち。

その奥には、複雑な刺繍が施された儀礼服を纏う貴族たち。 そして祭壇では、重厚な法衣を着込んだ老大神官が、震える両手で祈りを捧げていた。
「い、異世界……?」 クラスメイトの誰かが、震える声で呟(つぶや)く。 その一言が導火線となった。ピンと張り詰めていた空間の空気が、一気に爆発する。
「うそだろ!?」 「何かのドッキリじゃないの!? カメラどこ!」 「スマホ! 圏外なんだけど! 嘘、電源落ちた!?」 「帰れるの!? ねえ、お母さぁん……!」
悲鳴と混乱が、格式高い大空間の静寂を無惨に打ち砕く。 だが、そのパニックの渦中において、ただ一人だけ極めて冷静に――いや、斜め上の視点で周囲を観察している少年がいた。
(……石材にモルタルの継ぎ目がない。魔法的接着か?) (あのアーチ構造、柱の配置だけでこの巨大な天井の重量を分散させているのか) (地球とは重力演算が違う? いや、建築様式として極めて洗練されているな……設定ノートに追記しておかないと)
指揮(しき)タクトは、完全に現実逃避していた。 いや、本人の認識としては至って真面目なフィールドワークである。未知の環境に放り込まれたら、まず文明レベルを測るためにインフラと建築を視察する。それが「設定オタク」としての彼の悲しき性(さが)だった。
やがて、玉座から一人の壮年が立ち上がる。 王冠を戴(いただ)くその男の威圧感に、パニックを起こしていた生徒たちも思わず息を呑んだ。
「異界より招かれし、希望の勇者たちよ」

水を打ったように静まり返る一同。 「唐突な召喚を許してほしい。だが、我らの世界は今、滅亡の淵に立たされているのだ」 王は沈痛な面持ちで、重々しく語り始めた。 終わりの見えない魔族との戦争。竜族による無慈悲な領土蹂躙(じゅうりん)。長きにわたる戦乱による各国の疲弊。 そして、人類連合がすがりついた最後の希望――『勇者召喚』。
まるで歴史書を読み聞かせるような絶望的な状況説明に、クラスメイトたちの顔からは急速に血の気が引いていく。 だが、その重い空気を強引に断ち切るように、老大神官が祭壇の前へ進み出た。

「皆様にはこれより、《天授の儀》を受けていただきます」

神官の合図とともに、台座に乗せられた巨大な透明の水晶が運び込まれる。 「この世界が皆様に授けた恩恵……すなわち『力』を測定する儀式でございます。さあ、御手を」
促され、恐る恐る最初の男子生徒が水晶へ手を置いた。 直後、その内部から眩い青の光が溢れ出す。 『Bランク』 「おおっ!」 見守っていた騎士たちから、安堵と称賛のどよめきが上がる。 それを皮切りに、次々と測定が進んでいった。 『Aランク』 『Cランク』 『Sランク』

高ランクが示されるたび、神殿の空気は熱狂を帯びていく。 現代日本の高校生たちも当初の恐怖を忘れ、いつしかゲームの主人公にでもなったかのような高揚感に包まれていた。
「すごい……! 俺、魔法使いになれるかも!」 「完全なファンタジーじゃん!」 「Sランクってヤバくない!?」
タクトは最後尾から、その熱狂をぼんやりと眺めていた。 (こういうテンプレな世界って、本当にあるんだな……) 不思議と恐怖はなかった。むしろ、自分が考えた設定ノートとの差異を比較する好奇心の方が勝っている。
「次、指揮タクト殿」 ついに名前を呼ばれる。 「はい」 タクトは気負うことなく進み出て、冷たい球体の表面に右手を置いた。
一瞬。 本当に一瞬だけ。 水晶の奥底で、すべてを飲み込むような『極彩色の漆黒』がドクンと脈動した気がした。 ――しかし次の刹那(せつな)。 プツン、と電源が切れたように全ての光が消失する。 滑らかな表面には、無慈悲な文字だけがポツリと浮かび上がっていた。
『Eランク』

大空間が、凍りついた。
「……E?」 「初めて見たぞ、あんな低い数値」 「魔力が……ほぼ皆無ということか?」
騎士たちが戸惑い交じりに囁(ささや)き合い、老大神官が深く眉をひそめる。 気まずい空気の中、続いて『能力名』がそこへ浮かび上がった。
『固有技能:《透視》』

「…………」 三秒の、完全な静寂。 そして。
「えっ」 「キモっ」

女子生徒たちが、一斉にタクトから視線を逸(そ)らした。
「透視!? ありえないんだけど!」 「最低!」 「うわぁ……絶対こっち見ないでよね」 「違っ!」
タクトは思わず両手を振って弁明する。
 「誤解だ! 俺だって今初めて知ったから! ていうか使ってないから!」 必死の叫びも虚しく、女子たちは露骨にスッと三歩後ずさる。 神官や騎士たちも、どこか同情と蔑視が混ざったような微妙な顔つきに終始していた。
「……致し方あるまい。魔法も使えず、その技能では前線での戦闘任務は期待できん」 「後方勤務が妥当でしょうな」
王は顎(あご)に手を当ててしばらく考え込むと、判決を下すように静かに告げた。 「指揮タクトよ」 「……はい」 「君には、王都北方にある鉱山での採掘任務に就いてもらう」 「採掘、ですか」

「そうだ。魔鉱石は我が国の軍備を支える重要資源。それもまた、立派な戦いである」
体よく厄介払いされたことは誰の目にも明らかだった。 周囲のクラスメイトたちは、遠巻きに哀れむような視線を向ける。
「かわいそう……」 「一人だけ強制労働かよ……」 「最弱ってツラいな……」
そんな、悲壮感漂う空気の中。 タクトだけは、密かに目をキラキラと輝かせていた。
「あの……個室、ありますか?」 「……は?」 「タコ部屋みたいな寮でも構わないんですが、もし一人部屋をもらえるなら大変助かります」

玉座の王も、近衛の騎士も、生徒たちも、全員が一瞬言葉を失った。
「さん……三食付きですか?」 「……あ、ああ。労働者には支給されるが」 「休みは?」 「週に一日だが……」 「つまり、他国への侵略や魔族との命懸けの戦闘に参加しなくてもよくて、ただ定時まで鉱石だけ掘っていればいいんですよね?」 「……そ、その予定だが」
タクトは胸の前で、静かに、しかし力強くガッツポーズを握る。

(最高じゃないか……!) 戦争。政治。勇者の責任。魔王との死闘。 そんな、胃に穴が空きそうなブラック極まりない業務とは一切無縁! 朝から夕方まで無心で石を掘り、夜は誰にも邪魔されずに自室で大好きな世界設定を書き綴る。 彼にとって、それは現代日本から渇望してやまない、完璧で理想的な『ホワイト職場(※ただし週休一日)』への第一歩だった。
だから彼は、今日一番の、心からの満面の笑みで王に向かって深く頭を下げた。 「承知いたしました! 謹んでお受けします。よろしくお願いします!」

荘厳なる白亜の神殿が、なんとも言えない奇妙な静寂に包み込まれた。
同時刻。

人類が有史以来、誰一人として足を踏み入れたことのない大陸の最果て、東方絶対死地。
分厚い雲海を貫いてそびえ立つ黒曜石の城壁と、天空を幾重にも覆い尽くす不可視の魔力障壁。 東方魔王軍の総本山たる難攻不落の要塞――魔王城《ネメシス》。

世界最強と謳(うた)われ、人類を長きにわたり絶望の淵に沈めてきた武力機構の中枢がそこにあった。
広大な謁見(えっけん)の間は、鉛のように重苦しい静寂に支配されている。 軍議の卓を囲むのは、東方軍を牽引(けんいん)する最高幹部たち。

竜人、魔人、鬼族、吸血鬼、そして獣魔族。 一騎当千にして、単体で一国を滅ぼし得る名だたる軍団長たちが一堂に会していた。
だが、その歴戦の猛者たちであっても、最奥に鎮座する『至高の座』へは決して視線を向けようとしない。 十年間。 主を失い、空席となったままの玉座に。
「……西魔王軍、第二次侵攻を開始」 情報幕僚の一人が、無感情な声で戦況を読み上げる。 「敵の進軍総兵力、およそ二十八万。第五防衛線への到達まで、猶予はあと五日」
沈黙。 誰一人として動揺する者はいない。いや、動揺する必要など微塵(みじん)もなかった。
玉座のすぐ右隣。補佐官の席にて、一人の少女が静かに決裁書類の山へ目を通している。 星明かりを溶かしたような銀の長髪に、氷細工を思わせる冷たく整った美貌。身を包むのは、仕立ての良い深紅の軍装。 外見年齢だけを見れば、二十歳にも満たない可憐(かれん)な少女である。 だが、この場において彼女を侮る者はただの一人も存在しない。 東方魔王軍・代理総司令官――フルート。

「西軍の補給経路は」

「事前の予測通り、維持されています」 「敵右翼軍の進軍速度」 「血の気に当てられ先走っており、本隊より三日分突出しています」
フルートは万年筆を置き、卓上に広げられた巨大な作戦地図へと鋭い視線を這(は)わせた。 「ならば、その右翼を根本から切り落とします」

その一言が、絶対の軍令だった。
幕僚たちが機械のように一斉に動き出す。 「第六軍団に伝達! 遊撃機動を開始せよ!」 「第三飛竜隊、夜間奇襲準備!」 「兵站(へいたん)分断作戦、フェイズ2へ移行!」
誰一人として異論を挟む余地はない。彼女が『勝てる』と断言した戦術は、必ず勝利をもたらす。 それこそが、主不在の十年間を無敗で守り抜いた彼女の、血の滲(にじ)むような実績であった。
だが。 古参たる一人の老将が、苦渋の口を開いた。 「……代理総司令官殿」 「何でしょう」 「我らは一体いつまで、この不毛な専守防衛を続けるおつもりか」
謁見の間の空気がピリッと張り詰める。老魔族は周囲の制止する視線を意に介さず続けた。 「我らは守り抜いてきた。領土を、そしてあの方との誓いを。……十年です。もう十分ではありませんか。いっそ打って出て、西の愚者どもを根絶やしにしてしまえば――」
「却下します」 フルートの声には、一切の感情が乗っていなかった。 ただ絶対零度の吹雪のように、冷酷で揺るぎない。 彼女はゆっくりと首を巡らせ、誰も座ることのない孤高の椅子を見上げた。 「魔王様は、必ずお戻りになります」

それは願望ではなく、鋼鉄の意志を伴った断言だった。
老将は短くため息を吐く。 「……その根拠は?」 「ありません」 そう即答しながらも、フルートの双眸(そうぼう)に迷いの色は欠片(かけら)ほども浮かばない。 「ですが、魔王様は決して理(ことわり)を違(たが)える御方ではない。一度敷かれた完璧な采配(システム)を、放棄するような無責任な方ではないのです」
その強烈な信頼の前に、軍団長たちも押し黙るしかなかった。 彼らもまた、身の毛のよだつほどの畏敬(いけい)とともに思い知っているからだ。 誰よりも冷徹に戦局を俯瞰(ふかん)し、誰よりも合理的に命を天秤にかけ、誰よりも遙か先の未来を見通していた――あの底知れない支配者の後ろ姿を。
――その時だった。 カツン、と。

フルートの卓上に置かれていた小さな黒水晶が、かすかに震えた。 風も吹かず、誰も触れていない。しかし、漆黒の結晶の奥底から、淡く神々しい黄金の光が脈動するように溢(あふ)れ出し始める。
「……っ!」 フルートが、弾かれたように席を立った。

氷の仮面が剥がれ落ち、初めてその美しい顔(かんばせ)に激しい動揺が走る。 「波長が、合致……?」
十年間、ただの一度として輝きを宿すことのなかった沈黙の石。 それは魔力波長を同期させた主従契約の証であり、絶対的支配者たる魔王と、彼女だけを直通で繋(つな)ぐ唯一の超域魔導器であった。
黄金の光は次第に激しさを増していく。 まるで、永き眠りから目覚めたことを歓喜し、世界に自身の帰還を知らしめるかのように。
フルートは震える両手を、祈るようにその輝きへと添えた。 そして。 部下たちには決して見せたことのない、泣き出しそうな、それでいて全てが報われたかのような至福の笑みを浮かべて、そっと呟(つぶや)く。
「……お帰りなさいませ」

その愛おしげな一言だけを謁見の間に残し。 忠実なる代理総司令官の姿は、転移の光とともに、ふっと静かにかき消えた。
王都の喧騒(けんそう)から遠く離れた北方鉱山。その配属初日。

毒々しいまでの茜色に染まる夕空の下、一日の労働を終えた採掘士たちが、煤(すす)と汗に塗れた顔を拭いながら重い足取りで宿舎へと帰還していく。
「今日からここがお前の部屋だ」

案内役の老人が、軋(きし)む木製の扉を押し開けた。 「……狭いが、一応は個室だぞ」 「十分すぎます」
室内は、殺風景という言葉すら生ぬるいほど質素だった。 傷だらけの木の机。ぐらつく椅子。薄い毛布が乗っただけの硬いベッド。そして、空っぽの小さな本棚。窓からは殺伐とした岩肌と山並みが見えるだけ。
だが、タクトは歓喜に打ち震え、深く頷(うなず)いていた。 (……悪くない。いや、最高じゃないか)

静かだ。誰にも干渉されず、邪魔もされない。 夜になれば、この空間で好きなだけ設定資料(ノート)の執筆に没頭できる。
「夕食は食堂で六時からだ。遅れるなよ」

「ありがとうございます」
老人が去り、一人の空間が訪れる。 タクトは荷物を机へ置くと、何よりも真っ先に例のノートを取り出した。 『世界設定 第九版』 使い込まれた表紙を、愛おしげに軽く撫(な)でる。
「……異世界、か」 まさか、自分が妄想で構築し続けてきたようなファンタジー世界へ、本当に放り込まれる日が来るとは思わなかった。 それでも、今さらパニックを起こしたところで何も始まらない。 まずは生活基盤を整え、情報を集め、真面目に働き、ただひたすら静かに暮らす。 平穏無事――それこそが至高だ。
「うん、理想的なスタートだ」 彼は深く頷いた。 少なくとも本人の認識としては、これ以上ない完璧な第一歩であった。
◇
深夜。

鉱山の宿舎は、死したような静寂に包まれていた。 窓の外から聞こえるのは、名も知らぬ夜虫の乾いた羽音のみ。 タクトは硬い寝床に大の字で寝転がり、心底安堵したような深い息を吐き出した。
「今日は疲れたな……」
異世界への強制召喚。絶望的な能力測定。最低のEランク。そして、辺境での採掘労働。 客観的に見れば、人生のどん底に叩き落とされた悲劇の初日だろう。 だが、彼の感想は違った。 (案外、悪くない) 狂気の沙汰としか思えない前線へ送られるより、遥かにマシだ。 王城の血生臭い権力闘争や人間関係に関わる必要もない。 毎日適当に石を掘って、夜はこの静かな空間で誰にも邪魔されずに設定を練り込む。そんな生活なら、むしろ現代日本にいた頃より楽しめそうだ。
「おやすみ……」
その穏やかな眠りへの誘いは、突如として断ち切られた。 ズキッ。 「……っ!?」 右目の奥が、焼け火箸を突っ込まれたかのように激しく痛む。

それと同時に、右腕の血管を沸騰するマグマが逆流するような強烈な熱が走った。

「なんだ……これ……っ!」 苦悶に満ちた声が漏れる。押さえた右腕の袖口から、ドス黒い瘴気(しょうき)とともに『紋様』がゆっくりと皮膚へ浮かび上がっていく。 それは、幾柱もの禍々しい龍が複雑に絡み合う、美しくも冒涜(ぼうとく)的な刻印。 彼自身は知る由もない。 それが、かつてこの世界の全人類を絶望の底に叩き落とした絶対的支配者――《東方魔王》の証跡であることを。
不意に、粗末な板張りの床へ淡い黒紫色の閃光が走った。 幾何学的な術式が幾重にも重なり合い、複雑な魔法陣を形成して静かに回転を始める。
「えっ……?」
その輝きは次第に熱量を増し、空間そのものが共鳴して微かに震え出す。 室内全体が、圧倒的な『質量』を前に息を潜めたかのように静まり返った。 (なんだ……? 昼間の召喚術と同じ、いや、それより遥かに濃密でヤバい気配が――)
そして。 魔法陣の中心から、一人の女性が音もなく顕現した。

月光を紡いだかのような銀色の長髪。 漆黒と深紅を基調とした、一切の無駄がない豪奢(ごうしゃ)な軍装。 氷のように冷たく、そして凛(りん)とした絶世の美貌。 その佇(たたず)まいには、針の穴ほどの隙(すき)すら存在しなかった。
彼女は辺りへ降り立つと、油断なく周囲を一瞥(いちべつ)した。 隙間風の吹く粗末な木造の壁。傷だらけの小さな机。質素な寝台。辺境の鉱山宿舎。 その全てを瞬時に情報として処理した後。
彼女は一切の躊躇(ちゅうちょ)なく、ベッドの上で腰を抜かしているタクトの御前で、静かに片膝をついた。

右手を胸へ当て、深く、深く頭を垂れる。 それは、絶対たる唯一の『王』へ捧げる、臣下最高位の敬礼。
銀髪の少女は震える唇を開き、十年間、凍てつく心の奥底に押し殺し続けてきた灼熱の想いを、その凛とした声に滲(にじ)ませた。

「……お帰りなさいませ」
万感の思いを込めて、一拍。
「――我が主、魔王様」

圧倒的な感動の再会。重厚なる主従のドラマ。 しかし、タクトはぽかんと間抜けに口を開けたまま、瞬きを繰り返すばかりだった。
「…………」
数秒の、気の抜けるような沈黙。 やがて彼は、本気で困ったようにポリポリと頬を掻(か)きながら、引き攣(つ)った愛想笑いを浮かべて言った。
「えっと……たぶん、人違いじゃないかな?」

その、あまりにも場違いで間の抜けた一言が響いた瞬間。 フルートの完璧な氷の美貌が、ピキリと音を立てて凍りついた。
「……え?」
世界最強の軍隊を率い、冷徹無比と恐れられる東方魔王軍・代理総司令官。 その天才の頭脳は、生まれて初めて、完全に停止(フリーズ)した。

第01章『Eランクの採掘士』完

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あらすじ 人類歴一二八七年のクロスディア大陸は多正面戦争で疲弊し、北は魔族軍に師団を喪い、西はエルフとの百年消耗戦に沈み、東は竜王の飛竜に都市を焼かれていた。 しかし最大の脅威たる魔王軍のうち東方魔王軍だけは、十年前に魔王が失踪して以降一切侵攻せず、主の帰還を待つかのように鉄壁の防衛へ移行した。 その空白を突いた西方魔王が東方領へ侵攻し、魔族同士の大戦が激化して人類の国力は限界に達した。 人類連合の円卓会議は赤旗だらけの作戦地図を前に敗色を認め、東方の沈黙の意図を測れずに不気味さだけが募る。 老大神官は人類単独での逆転は不可能と断じ、禁忌の異世界召喚にすがる以外ないと進言した。 南王国の国王が重く頷き、勇者召喚の儀が決定されるが、誰も呼ばれる存在の正体を知らない。 召喚されるのは世界を救う勇者ではなく、定時退社と平穏を至上とするかつての東方魔王という皮肉な運命だった。 一方、現代日本の高校で四時間目の教室にいる二年生・指揮タクトは、窓際で世界設定ノート「世界設定 第九版」を書き込んでいた。 彼は物語より世界設計を愛する“ガチの設定オタク”で、魔王軍の兵站や統治機構まで精緻に設計して満足げにうなずく。 悪友に「投稿しろ」と促されても「設定が未完成」と退け、サグラダ・ファミリアのように終わらない執筆を続けていた。 そんな彼の右目には近ごろ謎の痛みが走り、授業中に突然ズキリと刺すような違和感が生じる。 場面は東方魔王軍へ移り、代理総司令官フルートは十年守勢を続ける理由を問われても「魔王様は帰還する」と冷徹に断言する。 老将が攻勢転換を主張するも彼女は却下し、合理と先見で采配した主は理を違えぬと確信して沈黙を貫いた。 その時、彼女と魔王を結ぶ黒水晶が十年ぶりに黄金光を放ち、波長の合致が告げられる。 フルートは喜悦と震えの中で「お帰りなさいませ」と呟き、転移光とともに姿を消した。 召喚の余波でタクトは異世界へ連れ去られ、能力測定は絶望的で最低のEランクと判定され、辺境の北方鉱山に採掘士として配属される。 初日の部屋は机と薄い毛布のベッドだけの質素な個室だが、彼は静けさと執筆環境にむしろ歓喜する。 「生活基盤を整え静かに働き設定を練る」という理想を掲げ、前線や王城の権力闘争から遠ざかれた境遇を好意的に受け止めた。 深夜、疲労の中で眠りにつこうとした瞬間、右目と右腕に灼ける激痛が走り、皮膚に禍々しい龍の紋章が浮かび上がる。 それは本人の知識を超えた《東方魔王》の証跡であり、部屋の床に黒紫の魔法陣が展開して圧倒的な魔力が満ちる。 光の中心から銀髪の軍装の美女が無音で顕現し、冷たい凛気と完璧な所作を纏って室内を一瞥する。 彼女は即座に片膝をついて胸に手を当て、唯一の王に捧げる最高位の敬礼で頭を垂れた。 その女性こそ東方魔王軍・代理総司令官フルートであり、十年分の想いを滲ませて「お帰りなさいませ」と告げる。 続けて「我が主、魔王様」と名指した瞬間、主従の劇的再会が完成したかに見えた。 しかしタクトは腰を抜かしたまま間の抜けた沈黙の後、「たぶん、人違いじゃないかな?」と困惑の笑みで返す。 その一言で氷の美貌が凍りつき、世界最強軍を率いる天才参謀の頭脳は生涯初めて完全停止した。 物語は、人類が勇者を求めた結果として“帰りたくない魔王”を呼び戻す喜劇的ミスマッチを提示する。 同時に、タクトの設計嗜好と東方魔王軍の完璧な兵站・委任システムが奇妙に重なり、身元と資質への伏線が置かれる。 東西魔王の覇権争いと人類の崩壊寸前の均衡、東方の沈黙という不気味な秩序が、帰還の光で動き出したことが示唆される。 タクトは平穏を希求して鉱山暮らしに満足しようとするが、右腕の刻印とフルートの忠誠がその願いを根底から揺さぶる。 勇者召喚の誤配は個人の安寧と世界規模の戦略を直結させ、静かな採掘士の日常は主従再会で非日常へ転じた。 フルートの確信は「理を違えぬ主の帰還」という信仰と軍略の合一であり、黒水晶の同調がそれを事実へ更新する。 第01章は、Eランクの採掘士としての静かな到着と、魔王としての圧倒的帰還の二重開幕をもって幕を閉じる。 そして読者は、平穏を愛する青年が否応なく“世界最強の帰還者”として認識される次章の波乱を予感する。
解説+感想とても面白かったです!
第1章として、めちゃくちゃ完成度が高い導入だと思います。読後感が非常に良い。
良かった点
1. 主人公のキャラが立ってる 指揮タクトの「設定オタク」っぷりと「定時退社至上主義」が序盤からバッチリ伝わってきて最高。 クラスメイトが勇者召喚に浮かれる中、一人だけ「Eランク採掘士」にされてガッツポーズするところが天才的。 中二病の自覚があるのに本気で設定ノートを書いている辺り、愛おしさすら感じる良いキャラです。
2. コントラストの効かせ方が上手い 世界の絶望的な状況描写(重厚でシリアス) 西方魔王の侵攻と東方魔王軍の謎の沈黙 召喚された高校生たちの混乱 タクトの「これ最高のホワイト職場じゃん…!」という脳内
この温度差が本当に気持ちいい。読んでてずっとニヤニヤしてました。特に採掘任務を言い渡された時の反応と、三食付き個室確認のシーンは笑いました。
3. ラストの落差が完璧 フルートの「ただいま」に対するタクトの 「えっと……たぶん、人違いじゃないかな?」
この間の抜けた返しが最高に効いてる。 重厚な魔王軍のシーンから一気にコメディに落とすタイミングが絶妙で、続きがめちゃくちゃ読みたいと思わせる終わり方です。
細かい感想
世界観説明が冒頭でしっかり入ってるのに、決して退屈じゃない。英雄譚ではなく「凡庸な選択の連鎖が歴史を動かす」というテーマを最初に提示したのが上手い。 「透視」技能で即「キモっ」判定されるのもリアルで良い(笑)。現代日本の高校生らしい反応。 フルートの忠誠心と美しさがしっかり描かれてて、ヒロインとして期待値が跳ね上がった。十年間待ち続けた想いが一瞬で伝わってきた。
総評
「魔王が実は平和主義の帰りたくない系」というのは最近よく見るモチーフだけど、設定オタク×定時退社マニアという個性付けが強烈で、新鮮味があります。 タイトル通り「帰りたくない」理由がすでにしっかり見えてきて、今後どうやって魔王軍の面々を振り回しながらサボっていくのかが非常に楽しみ。
正直、続きが気になるです。 このまま採掘士やって設定ノート書いて暮らしたいタクトと、それを許さない(?)忠臣たちとの攻防がどうなるのか、めっちゃ見たい。
作者さん、良い第1章をありがとうございました! これは書籍化狙えるレベルだと思います。頑張ってください!
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