キャサリン『伝説によれば、このペンダントの所有者は、その強大な力を解放することも封印することもできるそうね。
つまり、アナタは地球連合軍を率いてハデス帝国軍を下し、何年も続いているこの戦いを終わらせることができる人、っていうことになるわ。』
じんじん『そんな無茶な。
俺、超普通の人なのに。』
アルヴィー『何を言っているの。
ただの素人が、街中で鉢あわせしたハデス軍にいきなり勝てると思ってる?
この戦いはそれほど甘くない。
キミは特別な人・・・そうとしか思えないわ。』
キャサリン『優秀な戦士にまず必要なことは、熟練の技術を持つことよりも、鋼鉄の心を持つことよ。
じんじん、あなたにはもう、それがあるの。』
キャサリン『じんじん、クローンペンダントの所有者として、あなたをセレネ小隊の隊長に任命します。
特務隊エンジェルフォールを率い、ハデス帝国軍を撃退してちょうだい。』
じんじん『そっ、そんないきなり!』
キャサリン『まあ、まずは制服に着替えて、気持ちを落ち着けてごらんなさい。
全人類を救うことができる自分を、ゆっくりイメージしていけばいいの。』
じんじん『・・・わかった、やってみるけど・・・。』
キャサリンとアルヴィーは、強引に無理な理由をつけて主人公を説得しようとする。
彼女らの追い詰められた跡がない状況は容易に窺い知れる。
しかし、それよりどうしてもゆるせないのは、ハデス帝国軍が行った無抵抗な民間人への攻撃だった。
戦う理由は、それだけで十分だった。
キャサリン『それに艦内を見て回るといいわ。
ここでの生活がどんなものか分かれば、安心できるはずよ。
カミュラ、じんじん隊長を案内してあげて。』
カミュラ『分かりました。
じんじん隊長、こちらへどうぞ。』
カミュラ『この階は、主に居住用として使われているの。
ここはじんじん隊長の部屋ね。
隊長の重要な日常業務として、各部屋の巡回というのがあるので、他の部屋も積極的に訪問して。』
じんじん『わかった。』
カミュラ『次の場所へ進みましょう。』
カミュラ『ここはセイバーの格納庫ね。
セイバーの出撃、帰艦のときには必ずここを通るの。』
その時突然、トウリンが割って入ってくる。
トウリン『お前はあの、クローンネックレスの。
カミュラ、一般人をこんな場所へ入れるな。
何か壊されるといけない。』
カミュラ『フフ、もう一般人じゃないんだって。
ついさっき、セレネ小隊の隊長に就任したんだから。』
トウリン『小隊長? ふざけるな! 私と同じ階級だなんて。』
じんじん『トウリンも小隊長なのか。
それじゃこれから、色々教えてもらわないとな。』
トウリン『冗談じゃない。
どこの馬の骨とも分からぬお前が、このヘリオス小隊・隊長トウリンと対等に振る舞おうというのなら、その前に実力を見せるがいい。
私を倒してみろ。
そうすればお前を認めてやる。』
カミュラ『あの〜、あの人はああいう人だから、あまり気にしないようにね。
悪気はないはずなんだけど・・・
なにもいきなり、あんなこと言わなくてもいいのに。』
じんじん『うーん、でもトウリンの言ったことは、当たってるかもしれないな。
急に隊長になるなんて、変だと思う方が普通だろ。
挑戦を受けて、力を証明しないといけないんじゃないかな。』
カミュラ『じんじん隊長、あの・・・その・・・・トウリン隊長は、ハデス帝国軍のさっきの敵より、ずっと強いって、分かってる?』
じんじん『忠告ありがとう、カミュラ。
でも俺、ますますやってみたくなってきたよ。』
何か様子がおかしかったが、多分トウリンの挑発は打ち合わせどうりなのだろう。
ペンダントの力に疑問を抱いているのは、彼女らも同じのようだ。
サマンサ『あっれー、うちのおニューの隊長、なんであんなに慌ててんの?』
そして、都合よくサマンサがしらじらしい態度で現れる。
カミュラ『トウリン隊長が、勝負したいって言ったから。』
サマンサ『えーっ! ダメだよ、トウリンと決闘なんて!
隊長、マジでボッコボコのギッタギタにされちゃうよ。
止めに行ってくる!』
ジンジン『・・・・・・・』
棒読みのサマンサの演技は相当下手なようだ・・・。
キャサリン『待ちなさい、サマンサ。
私は新隊長の実力を信じるわ。
それから、トウリンの判断力もね。
とにかくもう少し、様子をみましょう。』
ここまできたらすでに、小学生の演劇レベルである。
サマンサ『艦長ったら、この状況、面白がってない?』
そして、打ち合わせ道理?トウリンが挑発する。
トウリン『ついてこい、その勇気があるならな。』
そして、遂に決闘がはじまった。
じんじん『トウリン、勝負だ!』
戦いは、主人公有利で展開する。
しかしその時。
トウリン『どうやら思ったよりは、骨があるようだな。
そろそろ本気を出してみるか。』
そういって、突然トウリンは、機体に乗り込む。
たしかこの決闘は、生身同士の戦いだったはず・・・。
トウリン『どうした?
これが隊長の実力か?
戦場で味わう恐怖に比べれば、この程度はまだ遊びだろう?』
じんじん『(だめだ! 早すぎて捕まらない)』
トウリン『まだ諦めないか。
では本物の恐怖を味わってみるがいい。』
トウリン『秘奥義・逆燐断!』
その時、主人公の頭にあの惨劇の場面がよぎる・・・。
トウリン『き・・消えた? どういうことだ!?』
そして、次の瞬間。
トウリン『うわ〜』
トウリンは、何が起こったのかも理解できずにその場に倒れ込む。
トウリン『みとめよう・・・お前の・・・・勝ちだ。』
そういってトウリンは、気を失った。
続く・・・。
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